ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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ムササビ坂の夜は更けて…

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音楽でメシを食ってた時代は、まだ東京の地理にさほど詳しくないから、
全く見当すらつかない知らない場所が翌日の集合場所だったりすることもしばしば。
今ならスマホでもPCでもGoogleMapをチョチョイと弄れば…
というテクノロジーなどもちろんないから、
ギターケースの中には厚くて重い東京都内道路図がまさに必携であるのだ
(都外だとメイメイ集合にはならないから地図は不要)。

また東京と言えど、今ほどインフラが発達してない箇所も多かった…
特に超都心の空白状態はハンパではない!。
今でこそ大江戸線とか在来地下鉄も新駅などいろいろ整備され便利になったが、
30年前ともなると麻布とか広尾界隈というのは、
もののけ達、ムササビや狸や狐が出てきてバカされてもオカシクないような
奇怪の谷だった。
超高級住宅街といっても、それはお抱え運転手付きマイカーがあってこその
超高級であって、それがない場合のそこは急峻すぎる坂だらけの険しい谷に過ぎない。

ある夜「明日、仙台坂の□△スタジオ10時」という仕事メモを渡されたのだが、
「仙台坂」がどうしても分からない。
方々に電話で聞いて、なんとかそのスタジオの正確な住所だけは確認出来た。
分かるには分かったのだが
「南麻布3丁目…どうやっていくの?最寄駅は?バス?メジルシは?」
結局何も分からぬまま、地図上では最寄駅の「六本木駅」から徒歩で
幾つもの山(坂)を越え、谷を渡り、トンネルを潜ってやっと到着。
もう一度言う…ココは超都心南麻布のスタジオ!。
本当に狸か狐にバカされてるんじゃないかとさえ途中思ったものだ。

情けない話だが、何度もショクシツに遭う。
周辺は各国大使館が林立してるらしく、しかも当時の私は、
先頃亡くなられた大阪の某ロック歌手さん紹介の美容室で初めて挑戦した
「アフロヘアー中!」オマケに怪しいサングラスにギターケースを抱えていたから
「ちょっとそこの君…そこのモジャモジャ!止まりなさい」と、
道のあちらコチラで警官に呼び止められ、
ギターケースを乱暴に開けられ調べられるのだ。

まあ車ならどうってことはない場所らしいのだが、
歩きだとだいたいそんなものだ。話しは続く。

そこで何やらJAZZ歌手のオネエさんとリハーサルをした。
前後するが、この日は知り合いのギタリストの代理(トラ)だったので、
この日のスケジュールと言うか、どういう歌手で、これからどこで何するか
さっぱり私は分かってない。
そのスタジオのことも良く知らなかったが、実は相当有名な場所らしく、
昼間から著名なミュージシャンやタレントが眠そうに続々出入りするような場所で、
軽くドギマギしつつ、しかしてこれは全てココまでの道中通ってきた
「狸穴」のタヌキか、「暗闇坂」のムササビのモタラす幻影ではないか?
ユーミンやら矢野のアッコさんがこんなところにいる筈ないじゃないか!?
と、またあらぬ妄想に耽るのだが、もちろん私は妙な薬はやってない…。

東京のど真ん中のキミョーな地形と、
ミョーチクリンな地名に少し頭がクラクラしていたのは事実である。
Wikiによれば、あの辺りは縄文時代から人が住み集落を築いていたらしい。
言うなれば不便さも筋金入りのムーミン谷なのである。

リハーサルと簡単なレコーディングが終わり、
夕方、バンドの楽器運搬車に同乗して本番ステージ現場に到着。
東京タワーが目の前に大きくソビエるが、相変わらずそこが何処か
さっぱり分かってない。
エントランスに「アメリカンクラブ」とあったのは確認できた。

本番前のケータリングはサンドイッチにコーヒーだった。
「なんだサンドイッチか…」と軽い失望を感じた筈だ。
それが「アメリカン・クラブハウスサンド」の本家!
オリジナルだとはまだ知らない未熟な自分...。

さてステージも無事終わり、いよいよ帰宅だが、
依然そこは「無案内な場所」である。
ただ妙な自信があった。
当時レギュラーで担当していたアイドルタレントの事務所が
「東京タワーが近くにみえるソ連大使館真向い」にあったから、
それなら日比谷線「神谷町」が直近にあるし、六本木へも充分歩ける一本道!
大したことない。と高を括ったのが災いの元となる。

怪しい土地勘は大きく外れ、
夜中の真暗い増上寺の敷地内から芝公園あたりに入リ込んだらしい…。
またしても急な階段を昇ったり降りたり、
行けども行けども夜中の千秋公園~裏の水道山あたりをウロウロしてる状態….
いずれは知ったところに出るだろうと歩き続けていたら、
どこをどう歩いたか新橋駅前に辿り着いた。

最終電車にギリギリ間に合って渋谷に着いたが、
自宅のある三軒茶屋までいく電車は既に終電過ぎ。
金曜の夜だったらしくタクシー乗り場は長蛇の列。
路上では絶対止まってくれないし、
仕方なく国道246号を玉川方面にとぼとぼと歩き出したら
雨が降ってきた…泣きたくなった...。

そんな情けなくも間の悪い21〜22歳の毎日だったように思う。

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