ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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四日間戦争 四日目(最終話)

DSC00846.jpg
見てるつもりが見られてる....。



就業3日目にして、何となくこの仕事の楽しさの部分に
少しだけ触れられたからか、ゲンキンにも、
昨日よりは少し足の具合は良いかな…
という感じで迎えた4日目の朝であった。

もう慣れた感じの足取りで、いつもの時間の地下鉄に乗り、
いつも通りに出社した金曜日の朝であった。

新宿ではある意味象徴的な風俗系雑居ビル、
その最上階のオフィスは早朝からいつになく物々しい雰囲気で、
見慣れぬ無遠慮な方々で溢れている。
系列会社や別部署スタッフ、店舗関連の代表者が一斉に押し掛けて来ているらしい。

何が起こったのか? 

誰も何も説明してはくれない中、
断片的かつ衝撃的な「言葉」が飛び交う……

「逃走中?」
「大阪府警?」
「風営法?」
「社長指名手配!?」…。

どうやら大阪の文教地区近接地にオープンさせたテレクラ店(?)が
風営法に抵触したとのことで、大阪の警察から出頭命令が出ていたが、
それを赤目社長は一定期間無視し続けた結果、
「指名手配」という最悪な事態に至ったらしい。

警察やマスコミに事情聴取された店舗担当者や、
事態を聞きつけた関係者がパニックに陥り、会社側に対応を求めるが、
こういう時にキチンとした対応責任者がいない為に、
必要以上に混乱しているようだ。

このままこの会社にいれば、いずれ同様のトラブルに自分も巻き込まれるだろう。
しかしどうやらこの会社では、自分の身を守ってくれる人もシステムも
何にもないようだ。長居は禁物だなあ…
などとまだその時点ではノンビリ考えていた。

しかし、そんなことより問題は、
本日午前10時に控えたテナントビルオーナーとのアポイント対策である。

あまり相談したくはないが、やむなく教育係に相談する。
当然、現場に同行してもらい、業態説明などを補足してもらえると思っていたが、
反応は意外にもあっけらかんと...

教「ああ、あの話か...もう無理だから諦めろ…当分それどころじゃない。
  朝刊にもう出ちゃったしな...。しかしオマエもついてないよなあ、
  30万円フイだもんなあ…」

私「30万って?」

教「えっ、聞いてなかったの? 
  この会社では、物件を一つ成約させると報奨金30万、
  パチンコ店規模だと100万出るんだよ…
  さらに新店の看板には担当者の写真が使われるんだよなあ、
  これが結構恥ずかしいんだ(笑)。
  ついでにもう一つ、この会社は入社2週間以内で辞めた場合、
  給料も経費も交通費すら一銭も出ないからそのつもりで!。
  初日に署名させられたろ誓約書。あの中にその文言も含まれてて、
  労基だろうが裁判所だろうが、無駄だからね。」

その驚愕の内容に驚くが、
こんな混乱の最中にヘラヘラ薄笑いで得意げに話す
この教育係の態度というのも、何だかとても腹が立った。

あの、人にやたら厳しい赤目社長は、何故こんなダラシナイ男に
中枢部署を任せているのだろうか…所詮あの鋭い赤い目も「ただの濁り目」なのか…
と思うと、今まで云われた私への罵詈雑言に対し、
猛烈に腹が立つのだった。

しかし取り敢えずアポはアポ、一人でビルオーナーと会うことにして、
表層的にしか説明出来ないが、誠心誠意の主旨説明をした。

商談が終わった途端、何だかここ数日の色々なことが脳裏をよぎり、
すべてが虚しくなった。
そしてその途端、身体の力が抜け、足が強烈な痛みとともに固まって、
遂には歩けなくなった。

タクシーを使い、近場のカフェに入り、靴を脱いでみると
足の裏がパンパンに腫れて、その他の膝や足首など関節も激痛で動かない。
身体は正直だなあと思った。ああもう無理だ。もう会社に戻りたくない。
でもそのまま電話で「辞めます」じゃあ、あの新入社員達と同じだな、
口惜しいなあ、無念だなあ…。

仕事自体はイヤではないし、ヤリガイもある。
しかし経営者も上司も、サッパリ信頼出来ないし、
風俗店経営に関わるのも心情的にイヤだ。
他人がどう思うかなんてはさほど気にはしないが、
自分で誇りを持てないと思う仕事に就くのはやはり御免だ。

仕事中の家人に迷惑を承知で電話した。
簡潔に「もう無理だ」というと
「いいよ、また捜せばいい。身体が一番大切だから」と云ってくれた。
身体は超重たいが、気分は少し軽くなった。

そして会社に電話を入れた。
教育係は澱みなく、そして慣れた口調で云った。

「あ、そう、またいつかどこかで、それじゃあね…」。

しばらくして、中央線某駅前のテナントビル最上階に
「ビデオボックス(リクライゼーションルーム?)」が開店した。
巨大看板には、リクライニング椅子に寝そべって、
ニヤリとテレビ画面を見つめるポーズの「教育係」が、
しっかりと写っていた。    






恐らくウッカリしていたか、或いは時代的にブラックな企業に
散々振り回されていたからかどうかは不明だが、
こんな素晴らしいバンドをしばらく見逃していた。

出会ったのは私的には今世紀ナンバーワン映画と思い込んでいる、
ソフィア・コッポラ監督作品『ロスト・イン・トランスレーション』
(西新宿のパークハイアットホテルが主な舞台)。
そのサントラに全面的に採用された「My Bloody Valentine」。
(はっぴいえんどの「 風をあつめて」も採用されている)

ギターによるノイジーなサウンドなのに、メロディはひたすら優しく美しい。
何だこの世界は!、と、相当に衝撃を受けた。
そのバンドは既に25年も活動してオリジナルアルバムたった3枚(3枚目は2013年!)。
コンサートはほとんどやらず、活動告示もほとんど守られたことがないから
オフィシャルとは常にトラブル状態。
しかし彼等は相変わらずのマイペースさを改めようともしない。
その清々しさ、そして羨ましさ....。

そんなmbvの貴重なライブVがなんと日本公演(フジロック)という幸運…。
まあ、それなりに齢をくわえたマイブラの、滅多にないライブを今宵は...。


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10 Comments

Keith says..."やっぱ"
今晩わんこ      pipさん

やっぱザッパ聴いてた人は、普通の人とは違うわねぇ~。

でも泥臭さは分かりますよっ!
2014.03.08 19:17 | URL | #- [edit]
amamian3 says..."東京は"
しゃにむに銭を求めるところ・・・そう思って働いていましたよ
それでも どうしても踏み込めないゾーンはありました
「お前は 甘い!!」そのつど罵られつつ(笑 

しゃきしゃきの江戸っ子の友もいました
そいつ等は私に言いました「お前 いいやつだ」と
所詮「田舎者の集まる所」と思っていた東京で
唯一心を許して語り、飲んだのが「江戸っ子達」だった 

純粋さが残るうちにと 島への引き上げを提案して
家族「全員の賛成」を得て 今があります
もう23年経ちましたっけ・・・
ぼちぼち生きています

そちら まだまだ寒いでしょう!?
どうぞご自愛くださいね


2014.03.08 20:19 | URL | #wZiQHpeI [edit]
oyajisann says..."今晩は"
今晩はもう関わりたくないだろうけど、この会社とこのしたたかな
いうか血の通ってないような教育係どうなったか知りたい感じし
ました。(東京湾で腐乱死体で浮いてないかな?)
22年ぶりに突如アルバム出したバンドですね。
2014.03.08 20:23 | URL | #eTRrWisM [edit]
pipco1980 says..."Keithさん こんばんわ"
読んでいただいて光栄ですよKeithさん!

因みに、Zappaの、持ってるCDを数えたら160くらい有りましたよ!
もちろんリマスターだので相当ダブってますけど、
そういう奴です。

仰られるとおり泥臭いです!
2014.03.08 21:12 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."amamian3さん どうもです"
こんばんは

>島への引き上げを提案して ...

羨ましいですよ、私も「引き上げ」考えたこと有りますが、
「寒いからイヤ!」...でしたよ。

一時友人なんかも、そちらに島の民宿の娘と一緒になって
「永住する」なんて奴も居て、羨ましかったです。
人生いろいろです。


2014.03.08 21:23 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."oyajisannさん いらっしゃい"
その会社を4日間で去って以後、初めて「2ちゃんねる」で検索したら
もう、あるわあるわの何だこのスレッド数!という
モノスゴイ「恨み事」の山には、相当驚いたものでしたよ。

部署が色々なので、我々が居た部署の教育係までは
なかなか登場してきませんが、社長に関して凄いニュースが
飛び込んできました。

社長自宅に強盗が入り、奥様と家政婦さんが後ろ手に縛られ、
猿グツワまでされるという妙に古風な犯人により、自宅金庫に
あった現金1億円が盗まれるという事件...。

誠に失礼ながら、咄嗟に思いつくのは狂言強盗か、さもなくば
元社員など強い恨みを持つものの犯行....を疑いますよね。
その後、事件が解決したかどうかは未確認。

会社は知りませんが、店舗はまだアチコチに現存してます。
 
2014.03.08 21:43 | URL | #- [edit]
ももPAPA says...""
こんばんわ pipiさん

ほんとに 大変な会社 社長 教育係さんでしたね。
自分も読んでて虚しさと腹立たしさが込み上げてきました。

このバンド 音世界は違うけど、あのリフレイン Hawk Wind の
シルバーマシンがなぜか一瞬重なりました。
彼らはサイケデリック プログレ?バンドでしたね。
2014.03.08 22:09 | URL | #Wgi4adpQ [edit]
pipco1980 says..."ももPAPAさん こんばんわ"
おお!さすが鋭い、ももPAPAさん!
云われてみればまさに!でした。
Hawkwind、実はシルバーマシンしか知りませんが、
スペースロックとか、云われてたような気がします。

我々のような古いタイプのロック&ジャズファンってのは、
こうした非ブルースな音楽にはなかなか馴れ親しまない
傾向があるやに思いますが、mbvも、よーく聴きこむと、
そのノイズの奥底の階層に、ドアーズやヴェルヴェッツ、
或いはビートルズやストーンズ、さらにはマイルスあたりまで
ひょっこり潜んでたりして、それを感じ取ることが出来たりしますから、
思わずニヤリ!な感じが楽しいです。

で、ももPAPAさんはシルバーマシンを見つけられた! 
いい話です!。

2014.03.08 23:48 | URL | #- [edit]
ジオヤー says...""
こんばんは

まさか、当たってしまうとは・・・、申し訳ないです。
ほんの冗談のつもりでしたけど、世の中冗談のようなことが、
起こるものなのですね。
語弊があるかもですが、楽しく拝読させてもらいました。
にしても、お気の毒様、とんでもない会社でしたねぇ。

マイブラは、分厚いサウンドに守られたか細い歌声、さらには、
うつむいて演奏するシューゲイザーなんていうスタイルから、
引き籠もり系、内向的な人が好む音楽ってイメージだったんですけど、
pipcoさんのような人が好きだって言うのは、何か意外でした。
2014.03.09 00:03 | URL | #LkZag.iM [edit]
pipco1980 says..."ジオヤーさん こんばんわ"
いやホント、どうしようかと思っちゃいましたよ(笑)。
まあ、別に狙いのストーリーではないので仕方ないかと....。

例の映画のラストシーンが、主演のビル・マーレーが、東京で
いろいろあって、さあ帰国だ...と、首都高の高樹町ジャンクションあたりを
走るシーンで突然バックで掛かるのがマイブラで、
それがとても印象的で快感だったんですね。

因みに本編では渋谷のカラオケボックスのシーンで、
ビル・マーレーは我らがニック・ロウの
「Peace Love And Understanding」を熱唱します!

2014.03.09 02:18 | URL | #- [edit]

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