ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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小さな一日

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決して「売れっ子」…とは云わないが、
一部のとても狭い業界範囲とはいえ、この私にしても、
それなりに多忙なミュージシャン生活時代というのがあった。

携帯電話など、遠い未来のツールとしか思えなかった時代に、
イキツケの三軒茶屋のバーにいるところを突然呼び出され、
急遽参加したレコーディング。

或いは高名なミュージシャン様には恐れ多くてお願い出来ない
細かい修正パッチワークや、ソロやオブリの差し替えなどの
「セコい仕事」の数々が、意外に業界内に広まり、

「今流行ってるアレのアレってアンタなんだってね!?噂は聴いてるよ。
 ウチでもチョロっとお願いしたいんだけどさあ…」

という具合で、内容はほぼ覚えていないのだが、
「何だか売れっ子みたいだなあオレ…」という忙中のサナカ、
忘れもしない最晩期の「ピ○クレ△ィ」のライブに呼ばれた
そのリハーサル中に(とっぱらいでFならび万もらった=余談)、
その会場の警備員室の方から
「ギターのPIPCOさ~ん、???ってヒトから電話ですよ~」
と呼ばれる。

滅多にない事なので、よほどの急用かと、
あれこれイヤなニュースを想像しながら電話に出ると、
割とくぐもった声の男が
向こう「ピアニストの○△さんにご紹介いただいている◇□ですが、お返事は?」
ワタシ「え?何の話…ですか?ピアノの○△さんなら、
    今日は同じステージでリハ中ですが…」
向こう「それなら話は早いですね、そちらで打ち合わせて連絡願います。では...」

てっきり新規仕事の打ち合わせかなにかと思って、ピアノの○△氏に訊ねると

ピアノ「ああ忘れてたよゴメンゴメン。◇□っていう何年か前にアルバムデビューした
    シンガーソングライターの男が、セカンドアルバムの準備と、
    ライブ活動に向けてのバンドを捜してて、テクはそこそこで構わないから、
    センスの良いギタリストを紹介してくれって云われてて、
    不意に思い出したのがYouだったから、Youの連絡先教えといたんだよ…」
ワタシ「思い出していただいてありがとね。だけど”テクそこそこ”…って、
    やっぱり失礼じゃないかあ、傷つくなあ…」

後日、連絡を取り直し、指定場所のまだ「田園コロシアム」があった頃の
東横線・多摩川園前のスタジオに向かった。
ライブ・アンダー・ザ・スカイでのV.S.O.P.やR.T.F、何故かロニーモントローズ入りの
トニー・ウィリアムス・ライフタイムなどが懐かしい街....。

既に他のメンバーはスタンバイしていて、挨拶もソコソコに譜面を渡された。
譜面と云っても、譜割とコードが書かれただけのザックリしたもの。
ボーカルの男が云った。

「TOTOとかオフコースみたいな感じで弾いてもらえると嬉しいです」

セッションが一通り終わると、
シンガーソングライターと思しき男が、

SSW 「PIPCOさんってプロの方だったんですね、演奏も流石ですが…(が?)
    何かの行き違いみたいで、このバンドは当面ギャラなど出せない状態なので、
    その辺どうなんでしょうか?」
ワタシ「…時間が空いてる限りは協力したいんだけれど、
    現実に明日は札幌だし…難しいかもね」
SSW 「ですよね。ただ今日の感じのノリは最高でしたから、
    またチョクチョク教えてください!」
ワタシ「っていうか、それはつまり…今日のオーディションはクビなわけね!?
    …アハ、ハハハ…ハハ...ハア...」

音楽性はともかく、実はこういう、リハやってリハやってリハやり倒して…
サウンドを固めてゆくバンド本来の姿が、妙に懐かしくもあり、
バンドという「@居場所」みたいな、かけがえのないものが、
その時、手からすり抜けたような、そんな寂しい気がした。

そのシンガーソングライターの彼は、翌年無事再デビューを果した。
アレンジは恐らくリハに次ぐリハの中から、大幅に変更されていたが、
ソロの部分とかは何故か私の手癖を反映したフレーズがいくつもあって驚いた。
彼は恐らく今も何らかの形で活動してるのだろうが、
この事は、私にとっては何だかとてもほろ苦い「小さな一日」となって、
また鬼や龍やオバケが跋扈するような、
そんな伏魔殿なギョーカイの渦の中に戻るのであった。



そのTOTOだけれど、私にとっては彼等のデビューアルバムの
Takin' It Back…これが全てかな。

ポーカロ兄弟の、既にスティーリーダンに肉薄した
恐るべきセンスの良さと高い音楽性に脱帽!
ギターも弾き過ぎず、ヤリ散らかさずの寸止め状態が素晴らしい。
その後、要のポーカロ兄弟が脱退すると、
何だか散らかし放題な感じになってしまったのが残念。
現メンバー(続いてるのか?)には、この曲の価値を、今一度見直して欲しいなあ…。


TotoToto
(2014/04/01)
Toto

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11 Comments

amamian3 says..."FBに"
シェアさせていただきました

外は雨
犬の早朝散歩も様子見
というか、最近雨だと小屋から出てこない
いつもはぴょんぴょん跳ねて待っているんですがね(笑
2014.03.20 06:47 | URL | #wZiQHpeI [edit]
oyajisann says...""
何時もありがとうございます。
そこそこって言うのは失礼、言葉に配慮ないですね。
サッカーで鍛え、ギターもプロ、私は運動も音楽も
センスないので羨望の眼差しです。はい
TOTOと言うとどうしてもBOZが・・・。
TOTOもヴォカール変わるまでは買ってました。
2014.03.20 11:45 | URL | #eTRrWisM [edit]
amamian3 says..."すでに"
飲み込んでいらっしゃる、、、と思いましたが
やっぱ、「そこそこ・・・」って日本語知らんやつでしょう!?
3日戦争のとき思いましたが
受け皿大きいですよ
私なら殴らないまでも、、、ですが「業界」って意外に狭い
でも、そんな方が書く詩って、、、どんなん??(笑
2014.03.20 12:34 | URL | #wZiQHpeI [edit]
pipco1980 says..."amamian3さん こんにちは"
事実「そこそこ」だったので、そこはあんまり気にしてません。

よく先輩諸氏に「(弾いてる最中)うつむくな、顔を上げろ!」
って注意されてたんですが、クラプトンだって俯いたままだし、
ジェフベックだって自分の指先しか見てないじゃん!
なんて思って反抗してましたよ!
やっぱりその辺がプロとしては「そこそこ」だったと思います。
2014.03.20 13:03 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."oyajisannさん こんにちは"
いやいや、何にでも興味津々の迷惑な子供...そんな感じでしょうか。
興味を持ったらもう際限なく、深いところまでなんでも知りたい!
という心境は、oyajisannさんもご同様かと思いますよ。

Totoが一般的に知られるようになったのは、
Bozの「シルク・ディグリーズ」でしたかね!

スティーブ・ポーカロの才能というのは、
マイケルジャクソンの「Human Nature」の編曲と
作曲の大部分(....)という形で結実しますが、
Totoという枠内では充分に才能が発揮出来なかった
事が悔やまれます。

バンドとの相性ってのは微妙なもの...!と云うところです。
2014.03.20 13:21 | URL | #- [edit]
ジオヤー says...""
こんばんは

モータウンのベーシスト、ジェームス・ジェマーソンが
酒場で酔っぱらってる時に呼び出され、マーヴィンの
「What's Going On」をスタジオの床に寝転がりながら録音した
という逸話をピーター・バラカンが話してたのを一瞬思い出しました。
pipcoさんも似たようなことしてたのですね、カッケーです^^

TOTOと言えば、「99」とか「Hold The Line」、「Africa」なんての
すぐ思い出すんですけど、この曲は地味で渋い印象。
でも、サビのところでコードが細かく変わるところなんか、
言われてみれば、確かにスティーリー・ダンっぽいしカッコいい。
こういう曲に目が行くのっては、さすがです。
2014.03.20 22:14 | URL | #LkZag.iM [edit]
ももPAPA says...""
こんばんわ

TOTOの本領は、こういう曲にこそ発揮される そんな印象を受ける曲ですね。
さりげなくキラリと輝くギターフレーズを織り込む
こういうあたりにもルカサーのセンスは光ってますね。

ポーカロ兄弟が生み出すグルーヴもイカシてますね。
2014.03.20 23:35 | URL | #Wgi4adpQ [edit]
pipco1980 says..."ジオヤーさん こんばんは"
その三軒茶屋のバーに於ける特異な人間模様を、
実はいつか書きたくて仕方がないのですが、
本当にウソっぽく聞こえるくらい凄いネームが
たくさん出てきますんで、
こりゃあ永久に書けないかも!?って感じです。

TOTOが、音楽制作の現場では最先端の「ひな形」というのか、
「手本」だった時代が確かにあります。
仰る通り、当時、私の周辺でもたくさんの音楽家が
この曲のコード進行やコードフォームに衝撃を受け、
争うように研究し吸収…というか真似したものでした。


2014.03.20 23:45 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ももPAPAさん どうもです"
いつも思うんですが、ルカサーというのは
もうどうしようないほど天賦の才能に溢れた天才ギタリスト
だと思うんですが、サウンド構築などの細かい作業は
天才にはあまり得意ではないらしく、どうしても大雑把になりがち。
本気でスティーブ・ポーカロあたりとの関係を
再構築して欲しいものですね。
2014.03.21 00:09 | URL | #- [edit]
taka says..."ワカラナイ"
う~~ん あい変わらず、奥が深い話だな~ぁ

”とっぱらいでFならび万もらった”を倒置したり飛躍したり連想したりしたが、ワカリマセン!!
業界用語なんだろうな。
2014.03.21 10:29 | URL | #XtpRPBkU [edit]
pipco1980 says..."takaさん 毎度だす!"
”とっぱらいでFならび万もらった”

「即金で出演料4万4444円もらった」って、意味ですが、
コレにはそれこそ深い意味が含まれています。

まず金額は当時としても異様に高額です。しかも即金払い。
さすが売れっ子「ピ○クレデ○」というところですが、
通常はバンドマンと云っても普通に請求賞を送り、
締め支払いで出演料が振り込まれるわけですが
その折の記入の仕方が税込みの44.444円となり、
実際の振込は4万円となるところ、即金で44444円???
どういう理屈??というわけです。
ついでに云えばこの事務所、3年後には倒産してます....。

さあ、墓参り行ってきます!
2014.03.21 11:33 | URL | #- [edit]

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