ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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ロック少年の憂鬱

yuukei
Angenieux "Anastigma"

ちっとも精緻じゃないし、クセの強い、雑な表現が目立つんだが、
このクラシックレンズが醸し出す夕景の、退廃的でヌルっとした
かなり濃いめの空気感がとっても好き。
秋のレンズだなあ…?。



高校生になると、もはやロックレコードの国内発売の盤だけでは
ナカナカ音楽的欲求は満たされず、かといって秋田にはまだ輸入盤店など存在せずで、
高校生なりの、考え得るあらゆるチャンネルを総動員して、
日本未発売の「輸入盤(時には海賊盤も)」を
「借りる」事も含めて入手する事に精出すのだった。

お互い高2の同級生だが2歳年上のN君は、
そんなネットワーク作りに異常に長けていて、
他校はもちろん、大学生や市内のロック喫茶、地元ラジオ局や
仙台近辺のレコード会社のA&Rマン等に強いパイプと人脈を持っていて、
彼を仲介としてあらゆるレコードが手元に迷い込んでくる。

彼はレコード(本も)を資産ではなく、
「みんなでシェアするもの」
という発想を我々に齎す革命的とも云える存在だったが、
時代的に理解されず、他の同級生達には

「貸したレコードがなかなか帰って来ない」
「股貸しされている、けしからん」
「傷つけられて戻って来た」
などと悪い評判も相当にたっていた。

私なんかも、新宿の輸入盤店の通販でやっと入手したレコードを、
聴き込む間もなく彼に持ち去られ、当分返還されないのはホントに困るけれど、
それ以上に、当時入手困難だったFrank Zappaのディスコグラフィーや、
メジャーではないプログレやブルースやモダンジャズなんかの
主に変態系レコードがどんどん手許に廻ってくる歓びには代え難く、
「シェアやむなし」ということで許してしまうのだ。

ある日、東京の知人経由でやっと入手した
King CrimsonEarthboundFripp & Enoのアルバム…。
大のクリムゾン好きとしては、もはや家宝に近い「貴重盤」で、
N君には教えずコッソリ隠し持っていたのだが、
なにしろ当時の私の家は私が留守でも出入り自由な溜まり場だったから、
すんなりバレて持ち去られてしまう。

当然どんなに催促してもなかなか戻っては来ない。
そして遂に彼は「ホントにゴメンよ、Earthbound見失っちゃったよ…
その代わりにコレあげるからキゲン治してよ!」と持って来たのが
何故か忘れもしないNicoThe End(ドアーズのあの曲)と
カーブドエアーを脱退したダリルウェイが組んだ新しいバンドWOLFのアルバム…。

Nicoの方はJohn CaleとBrian Enoがプロデュースした今となっては名盤。
しかし当時は、こんなサイケアングラババア(失礼)のレコードと我が家宝では
釣り合い取れるわけがねえ!などと怒りが収まらないまま、針を落とすと、
あれれ...なんだこの世界観...と、一発で気に入ってしまった。

しかし「コレあげる!」といったのに、
またしても彼にフイっと持ち去られて延々戻って来ない…
例によってそのまま行方不明ってことで、
我が家には自分で買ったレコードは一向に棚に収まらず、
誰が買ったか分らない出所不明な変態チックなレコードばかりが
どんどんと貯まってゆくのだった。

その後、私は東京で生活するようになり、様々な音楽猛者と知り合い、
語り合うのだが(現在も音楽評論家としてライナーなど書いてる奴が多い)、
ほぼ誰とでも話を合わせられる変態マニア系のあいつ!ってことで、
少しだけ知られる存在になっていくのだ。

ちなみにN君は地元大学に入学したはずだが、
いつの頃からか東京の私の周辺に居て、
相変わらずアッチコッチからレコードを集めて私の所にせっせと持ち込むのだが、
ある時、何らかの詐欺事件に巻き込まれ、意外にも(?)厳格な父親によって
故郷に強制送還させられ、その後、ドナタかの議員秘書になったと風の噂に聞いた。

ヒトやモノを繋ぐ事には異常に長けているから、
政治はもしかしたら天職かもしれないが、
一つ間違うと融通の利かない種の人間が集まる「当局」に動かれるような、
そんな危うさを裏腹に持つ奴であったなあ。

さてそんなNicoのThe EndアルバムのB面ラストに入ってる曲…
なんとこれが「ドイツ国歌(当時は西ドイツかな…)」。
これが何故か妙に気に入って、いつの間にかドイツ好きが講じて
今やCarl Zeissって何のこっちゃ!?なのである。
Nico - Das Lied Der Deutschen


オマケでNicoと同時に我が家に齎されたDarryl Wayが結成した
彼のヴァイオリンが中心の、クラシカルなプログレッシブバンドWOLF
2ndアルバム"Saturation Point"から"Toy Symphony"コレも結構ハマったな。



ジ・エンドジ・エンド
(1997/12/10)
ニコ

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サテュレーション・ポイント(飽和点)サテュレーション・ポイント(飽和点)
(2001/06/13)
ダリル・ウェイ&ウルフ

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6 Comments

薄荷グリーン says...""
この写真の木もちょっと赤くなってるけど、そろそろ紅葉の季節、わたしは桜ほどには撮りに行こうとは思わないんだけど、やっぱり撮りにいきます?モノクロで紅葉って意味あるかなぁ。桜はモノクロでも様になったけど。
nikoがどうしてドイツなんだろう?と思って調べてみたら、ドイツ出身の人なんですね。初めて知った。
ウォーホルのシルクスクリーンのセンスとか凄い好きだし、関わりを持った人には興味深い人がいろいろいますね。

鉛含有って日本の技術なんだ。絞るとひょっとしたら黄色のフィルターは要らないかと思う程度にはコントラストが多少アップする感じで、特にこれしかないっていう感じでは使わないけど、鉛がどうのこうのというよりも35mmがどう使っていいのかもう一つ良く把握してないところがあったりします。
2014.10.27 21:30 | URL | #56UXBqNU [edit]
oyajisann says...""
私が学生の頃はビルボードのヒットチャート追っかけた
ような購入で当たり前のようなレコードが多かったです。
たなたまジャケット気に入って買って大当たりなんて喜
びもありました。
レコードは極力貸さずカセットに録音してプレゼントす
る方が多かったです。
自分が気に入った音楽、無理やり聞かす音の押し売りで
もありました。
2014.10.27 22:11 | URL | #eTRrWisM [edit]
pipco1980 says..."薄荷グリーンさん 毎度です。"
写真と関係ないですけど、鮮やか過ぎる赤!黄!ってな原色な
紅葉はどうも苦手で、コレくらいの朧げというか、地味な暮色
くらいが丁度いいって思ってます。
モノクロの紅葉ってのも、退廃的で面白いかも!

35mmといっても、ウチのは2台ともAPS-Cなので
50mm(くらい)相当ってことになるんですけど、
自分はそれくらいが一番使い安いかなあ...全部28とか
30mmくらいで揃えたいくらいです。

ドイツついでではないですけど、安物買いのなんとやらで
Pentacon人民公社...ポチってしまいましたよ...あああ...。
2014.10.27 22:16 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."oyajisannさん 毎度です"
ジャックブルース亡くなったそうですよ!今ラジオで言ってました。哀悼。

なにせ高校生ですから、自分が聴きたい音楽だけ聴いていたいって
心境も確かにありましたよ。何せ彼が持ち込むレコードなんて
殆ど知らぬ名ばかりで、コレはもしかして拷問か?というほど、
肌に合わない音楽もありましたからね。

ただ色々知りだすと、もはや中毒者。
そうなると『本物』と『偽物』が明解に分るようになって来て、
それはそれで悲しい事も多いですけど、審美眼を鍛えると云う意味では
重要な時期だったようで、最近まで友人の音楽評論家達に意見を
求められる事も多かったです。
なにしろ膨大な量のレコードが毎日なだれ込んで来てましたから…。
2014.10.27 22:41 | URL | #- [edit]
薄荷グリーン says...""
紅葉は葉っぱの形が変るわけじゃないから、モノクロで撮ったら結構これは紅葉だと言い張らないといけないような気がします。とはいうもののカラーフィルムのない時代は紅葉は撮影モチーフにならなかったのかというと、そうでもなさそうな気もするし。

ペンタコンですか。ペンタコンのはカメラ本体だけどプラクチカを一台持ってます。本体も3000円くらいで安かったです。
この辺りのブランドの変遷はややこしい。どういう来歴なのかよく分からないです。
レンズだとフレクトゴンという名前がまず頭に浮かぶんだけど、これはペンタコンのレンズだったかな。相変わらず名前はかっこいい。
2014.10.28 20:30 | URL | #56UXBqNU [edit]
pipco1980 says..."薄荷グリーンさん おばんです"
力不足は重々承知しつつも、何か挑戦してみたいすね、モノクロ紅葉。
結果はある程度見えてますけど…。

Pentacon….まさにそんな値段でしたよ!
でも、調べれば調べるほど謎は深まるんですが、
多くの方が比較された上で述べているのが、
Pentacon autoの初期型(モノコート)はツアイス・パンコラーのコピー。
後期型(マルチコート)はメイヤーオプティク・オレストンのコピー
(もちろん工場も職人も同じ)ということで、私が購入したのは
評価は高いが人気はない(?)初期型…。

Pentaconから西側に亡命した技術者が作り上げたのがフォクトレンデル…
もうわけ分らんすね。
ちなみにフレクトゴン…ホントは今一番欲し…。
2014.10.29 00:49 | URL | #- [edit]

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