ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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晴天のカルカドル

ang1.jpg
P.Angenieux Paris 'Anastigmat' 2.9/45(Late-1940's Leica M39)

去年の今頃は、もう体調最悪で、
カメラを持ってなんとか気力で出掛けてみるものの、
結局、新緑も桜の開花も、そもそもその場所に辿り着くことが出来なくて、
何だかとても情けなくて悔しい思いをしていた。

やがて桜も散ってしまい、ツツジが咲く頃になって、
私はあえなく入院治療となった。

げんきんにも、ここでやっと気力体力を取り戻したのだけれど、
ベストフォームであちこち出没出来るようになった頃は、
もう夏も終わろうとしていた。

あらためて普通に、現代式のオートフォーカスの純正レンズで
写真など撮っていたら、何だか以前と少し違う感覚に苛まれていた。
なんだか写真がきれい過ぎて、実際の景色とその写真の印象に、
何とも云えぬ違和感を感じたのだ。何だか…つまらないぞ??

以前からC社の一眼用単焦点レンズ(AF)にアダプターをつけて、
S社のミラーレスカメラに装着して撮る…当然電気的な接点は
一切繋がってないから、すべて手動のマニュアル操作…そんな遊びをしていたけれど、
気がつけば、いつも持ち出すのはそのパターンばかりになっていた。

特にその方が写りが良い…というわけではないけれど、
マニュアル操作の方が、断然楽しいし、失敗も多いけれど、
ごく稀にだが、予定調和ではない、グッと来る写真が撮れたりするのだ。

そういうわけで、ネットを使って、古いマニュアルレンズの情報などに触れてみると、
何やら面白そうで、しかも案外安いではないか!

早速入手したのが、東ドイツ、カール・ツアイスのテッサー。
生々しい話で恐縮だが「3300円」。
記載はなかったが絞りが壊れていた…。
それでも写りは壮絶で、かなりの衝撃が走った。

やがて、クセ玉だ妖玉だと世間で揶揄されつつ、
ひょんな出会いで幸運にも所有出来ることになったのが
フランス製の「アンジェニュー」レンズ。

なにしろ記録によれば1949年の製造(発売)。
昭和でいえば24年である。

最近、やはりカメラ好きの友人に見せたところ、
友人はしばらく絶句し、そして云った。
「どういう意味さ、このオンボロで何すんの?」

ピント合わせは極めて困難なのだが、どのみちくっきりすっきりした
ピント山の頂上など見つかる筈もなく、まあまあだいたいこんなもんか?
っていうほど甘く切なくて(?)、ふわふわと柔らかい独特の描写力だから、
過去にもオモロイおっさんとか(ホラ貝吹き?)、
ヤケに速歩きな女性のブレブレ写真とか、そんな特殊な状況で、
その真価が存分に発揮出来たのではないかと思う。

いずれにせよ、その奇妙奇天烈な描写にはいつも
「ギャオ!」と驚かされている。

昨日は久しぶりに明るい日差しに恵まれていたから、
いつになくアンジェニューを2段くらい絞って(F5.6くらい?)撮影してみると、
あれっ?何だかいい感じに写っているではないの!

絞り開放で撮った画は独特で奇天烈だが、
少し絞れば随分と落ち着いた画になるものだなあと
改めて感心したりする。

もちろん現代のレンズに較べれば、解像度も抜けも充分ではないし、
カメラに詳しい方なら、周辺が流れて破綻してるとか、
収差がどうのこうのと突っ込みどころも多々あることだろう。
色バランスも決して良いとは云えない...。

それでも私は、随分と濃い空気の密度加減とか、
何とも云えぬ背景の趣きなどが、とてもセンチメンタルで
ノスタルジックに感じられるのだ。

2015年のお堀の土手ではなく、
毎日のようにランドセルを背負って走り回った
1965年頃の土手の情景が
今、鮮烈な色彩と共に甦った…確かにそんな気がした。



前回に引き続きP-MODEL

実は私はP-MODELもとい平沢進に、とても強い嫉妬心を抱いていた。
面識はないけれど、おそらく同年代で、同じ頃に音楽で生活の糧を得ていたのだが、
向こうは、自分の才能と感性をフル稼働した最先端音楽。
私はと云えば、ちゃらけたアイドル歌謡系のバンドマン…。
違いすぎる境遇を呪うほど私もアホではないと思うが、
彼の音楽に強く共感を覚えてしまう自分に対し、
何だか無性に自己嫌悪に陥ったのは事実である。

細野さんは大尊敬するが、自分にとって同じ頃流行ってたYMOなど
別にどうでも良かった。
坂本教授のように、最高峰の音楽教育を受けた者が紡ぐ
流麗なシンセサイザーサウンドなど全く興味がない。
自分と同じような、シンセを楽器としてではなく、
新しい玩具として、或いは見たこともない色の絵の具を手にいれて
心躍る子供のように、嬉々として最新電子機器を取り入れ、
使い倒す平沢の姿が、まさに自分の理想そのもので、
それが羨ましくて、嫉妬に身悶えするのだった。

P-MODEL 「カルカドル」


カルカドル(紙ジャケット仕様)カルカドル(紙ジャケット仕様)
(2007/07/25)
P-MODEL

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5 Comments

amamian3 says..."おはようございます"
手持ちですか?
凄いですねぇ~!!

見たイメージとか 感じたイメージをそのまま画像にするのは難しいです
オートフォーカスを使いますが、パネルに映る映像を見て「違うなぁ~」と
マニュアルにすることも多々あります
ただ イメージ通りに撮ることと、写るまんまを残すこと 
どうなのって、それを 時折考えてしまうのですよね

以前は200mmのズームを愛用していましたが、藪の中で木にぶつけ ズームと
ロックは壊れてしまいました それをマニュアルで無理やり使います(笑
風景の遠景以外は もっぱら100mmのマクロです。
しかし「こうだ」という写真はめったに撮れません。「ま、いいか」が主
本当に使いたいカメラとレンズを手に入れたら
私も はまるかもしれませんがね(笑
2015.03.30 05:43 | URL | #wZiQHpeI [edit]
pipco1980 says..."amamian3さん おはようございます"
見たままと云うより、感じたまま〜が大きいです。
上の写真の場合、この場所はなにしろ子供の頃から
毎日のように通る場所なんですが、もちろん個人的事情で
間がすっぽり40年くらい抜けているわけで、「昔と今」、
言い換えれば「夢と現実」が交差した場所なわけで、
とても「見たまんま」が映像ではないわけで、
その何かを埋める断片が、古いレンズにあるのかもしれない…
でも本当は古いフィルムカメラなんじゃないか?
そうとも思ってるんですけどね。

単焦点望遠でしかもマクロ!なんて、
カメラ好きには垂涎の的じゃあないですか!。
以前85mm/F1.2ってのを借りたんですけど、もう世の中が
全然違って秀麗に見えましたよ。これ欲しい!って思ったんですけど
20万….ですって。
ちゃんと働かないと手が届かない額です。
2015.03.30 10:26 | URL | #- [edit]
hal says...""
はじめまして、日々ちょこちょこ拝見しております。
そして、Tessarを初めて手にされるアタリまで、遡って拝読しました(^^。
残念ながら、妖玉Biotarは手に入れられませんでしたけど・・・(笑。

古いレンズは佳いですね、見慣れた現実を、何か違う世界に変換してくれるような。
見飽きた日々の通勤路でも、何だか意味アリ気な風情に見えたりするような。

そしてそれ以上に、ピーカンの日よりも雨の方が好きになったのも大きな変化でした(笑。
晴れの日はフィルムで、天気が悪い日はデジタルで。
とにかく、散歩して、見て、撮ってるだけで楽しいです(^^。
2015.03.30 14:42 | URL | #PwYTJ1I6 [edit]
pipco1980 says..."halさん こんにちは"
>見飽きた日々の通勤路でも、何だか意味アリ気な風情に見えたりするような

まさしく仰る通りだと思います。
まあ考えようによってはクルマも似たようなものですよね。
何が何でも国産新車、逆に腐っても(?)ドイツ車…、
さらにはチューンナップ車、クラシックカー趣味…等々。
現在の私はエンジンデジタルの、まだチューンナップの段階かもと思いつつ、
いずれは銀塩カメラにISO100くらいのフィルム入れて…
なんてのに密かに憧れたりしてます。
今後ともご指南等々よろしくお願いします。
2015.03.30 15:22 | URL | #- [edit]
らくらくまん says...""
素晴らしい!!カルカドル
めちゃくちゃ好きな曲です~~~!!
2015.05.10 22:02 | URL | #z8Ev11P6 [edit]

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