ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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決別の記憶

DSC03674.jpg
P.Angenieux Paris 'Anastigmat' 2.9/45(Late-1940's Leica M39)

堂々咲き誇るサクラを撮っていたのだが、
ちょっとゴージャス過ぎて少々食傷していた。

ふと手元の生け垣を見ると、随分と可愛らしい小さな花が咲いている。
気がつけばサクラそっちのけで、この名も知らぬ小さな花を撮り続けていた。
で、ピントはどこ??



以前も当ブログで取り上げたかも知れないけれど、書いた記憶は希薄…?。
いずれにせよ、希有な体験なので、折に触れて様々な人に話してるから、
ひょっとしたら同じヒトに同じ話題を何度も得意気に話すって言う、
とても愚かしい行為に及んでいるかもしれない。

とっくに音楽家生活に見切りを付け、勤め人生活を送っていた時代だが、
その当初はまだ未練タラタラで、友人に頼まれると
「いやあ俺なんてもう….」などと言いながら、
嬉々としてクラブレベルだが、トラのアルバイトをしていた頃の話だ。

青山辺りのサパークラブ、3回ステージの2回目が終わって、
バンド控え室にいたところ、なんだかフロアーが騒がしい。

お客様の中にギタリストの「クロードチアリ氏」がいたらしく、
他の客がぜひ彼のプレーを聴きたいと、「チアリコール」を始めていたのだった。

チアリ氏は「僕はエレキ弾けないよ、だから無理!」
と必死に拒絶していた様子だったが、
結局鳴り止まぬコールに押されてステージに上がった。

取りあえず、大慌てで私もステージに駆けつけ、
(借り物の)335っていうエレキギターを彼に差し出した。
当然彼の代表曲の「夜霧のしのび逢い」だったかを弾こうとするのだが、
やはり相当にエレキは不得手らしく、何しろミストーンだらけ。
客達もそのただならぬ様子に気づき始め、
「気の毒な要求をしてしまったな」と反省し始めるのだ。

それでもチアリ氏は途中で演奏を辞めることなく最後まで弾き通し
「一流」の意地を通した様子は、私も含め、客席も感動に包まれたように記憶している。

とにかくひと騒動終わって私は控え室に戻る途中、
今度はエントランス付近で何やらトラブル発生。
不審者がクロークで騒いでる!というのだ。

野球帽をかぶってはいたが、やけに長髪の、細身だが大柄な外人が何やら騒いでいる。
外人は泥酔してる上に、時代的にまだ早い「ダメージ加工」が過ぎるボロボロジーンズ姿。
これが店のドレスコード的に不適格と、ベルボーイと押し問答してるらしかった。

ド近眼の私だが、何となく見覚えあるその風貌は、
敬愛するベーシストの「ジャコ・パストリアス」その人だった。
私が今しがたチアリ氏が弾いたギターを手に持っていたので、
突然ジャコに呼び止められた。

「Hey, you! ミュージシャンか?俺もだよ(充分分かってる!)」
「金は持ってないけど、俺に1杯だけ呑ませてくれるよう支配人に頼んでくれないか!
 おんなじミュージシャンだろ!なんならパフォーマンスしたっていい…なあ頼むよ…」。

私にしたら、いや他のミュージシャン達にも、お客様にだって、
これはもう一生に一度かもしれないサプライズであり、願ってもないチャンスである。
気持ちは当然イチジルシク高ぶるのだった。

そこへ折よく、ちょうどやってきた支配人に事情を話すのだが、
答えは無惨にもNO!。すぐに小汚い不良外人を追い払え!という指令が下ってしまった。
再び揉み合うと、今度は例のチアリ氏がクロークにやってきて、
「君見たことあるな…ここは駄目だ、俺と一緒に別の店に行こう」
とジャコを連れて行ってしまった。

きちんとした身なりの紳士と、千鳥足のホームレス風身なりの
猫背の大男の妙竹林なコンビが、西麻布方面に無惨にも消えてしまった。

私はおそらく二度とない共演チャンスを逸しつつ、
不意に、ガラガラガラと何かが音を立てて崩れたような気がした。
それまでの中途半端な音楽生活のその一切が
何故だか突然、夢から醒めたように吹っ切れた気がして、
その夜を最後に、全ての音楽的なお誘いを固辞し、
昼間の勤め人生活に専念するようになった。

いずれにせよ、何が原因なのか、自分自身の胸の内ながら
さっぱり分からないのだが、仕事としての音楽ときっぱり決別した
その騒然の夜のことは、忘れられない記憶となったのだった。

ちなみに、同じ夜、こちらも仕事を終えての帰り際、
表参道あたりで、相変わらずふらふらと泥酔のジャコパストリアスが、
若いロックバンドの連中と意気投合したのか、一緒に呑みにいくどー!と、
はしゃいでいるのを目撃した。

頭ツンツンのパンク小僧達は、果たして彼のことを知っていたのだろうか??

数年して、ジャコパストリアスの非業の死が報じられた。
同じように店の前で揉めて、店側の用心棒にぶっ飛ばされて、
当たりどころが悪く脳挫傷で亡くなってしまったという…黙祷。

...というわけでそのジャコ・パストリアスは名演も多いが、迷演も大層多いベースプレーヤー。
しかし少なくとも、自らを売り込んで加入したという「ウエザーリポート」在籍中は
さすがにJAZZ界の重鎮2人がいるせいか、集中した良い演奏を聴かせていたように思う。
そしていよいよ自作曲もバンドの重要なレパートリーになった。
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2 Comments

hal says...""
JBLのスリーウェイもアンプにつながれることなく、
子供のおもちゃを置く台とかになってる僕ですが(笑、
ジャコのアルバムも持ってます、たぶん、名前に惹かれて買ったのだと思います。
ジョンクーガーメレンキャンプとかモホロビチッチ不連続面とかと同様(笑、
何だか呪術めいた言霊があるような気がして。
アイラーやパティトゥッチ、コルトレーンしかり、
何や分からんけどとりあえず、名前がカッコいい、みたいなトコロから。
コレって・・・シュナイダークロイツェナッハ萌~、とまったく同じ構造でしょうか?(爆

にしても、このストーリー、ビックリしてしまいました。
pipcoさん、古レンズ好きのハイセンスで面白いおじさま、
みたいな感じかな~って認識でしたので(放言多謝!!!!!^^;;;

ステージの熱狂、一回性のライブ感、音楽って凄いなって思います。
ウチの奥さんの趣味はフラメンコ踊りなんですが、まあ、
彼女の踊りなんて学芸会に毛が3本生えたレベルにしか見えないんですけど、
本場スペインからの大物が来られたとき、そのエモーションは、
僕みたいな無粋な人間にでも、怖いくらいに伝わってきます。
ギターとカンテ、足踏みと手拍子、とてもシンプルな要素ですけど、
それらが絡まってヒートして、「場」が熱く昇華してゆく様には、
音楽の、言葉なんて必要としない、原初的なパワーを感じます(^^。
2015.04.17 11:27 | URL | #PwYTJ1I6 [edit]
pipco1980 says..."halさん こんにちは"
日本人でも名前がカッコいい奴って羨ましいなあって思います。
何せ自分が平凡な名前なものですから….。

でも失敗したかなあ...名前で買ったイスコ・ゲッチンゲン….。
考えてみればゾーリンゲンと大して変わらない….。

音楽はずうっと好きですけど、それを職業にしてしまった怒濤の時代の
諸々味わった誇りや屈辱がヘンテコな葛藤になって、
いまだトラウマのように頭のどこかにしつこくこびりついてる...そんな感じです。

JBLもったいないですねえ!うちのJBLも先般の震災でひっくり返って
壊れてしまいましたよ。
2015.04.17 12:39 | URL | #- [edit]

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