ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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浮遊感の正体

2020.jpg
aus JENA 'Pancolar' 1.8/50 (Early-1970's Zebra / for Exakta)

いつもながら思うことだけど、
東独ツアイスの末っ子「パンコラー」の
重力をサッパリ感じないこの独特の浮遊感は何なんだろうか?と、
例によって思いつつ、いや待てよ、この感じ…
何だか覚えがあるぞ…。

もはや超超大昔のことだが、高校に入学が決まって、
詳しくは覚えてないが、おそらく入学手続きか何かの折に、
教科としての「音楽」と「美術」が選択科目になっていて、
どちらを受講するか選択すべし!という難問。

結局私は「美術」を選択するのだが、その理由は、
初体験となる「油彩」を是非やってみたかったからに相違なかった。

期待に胸ふるわせつつ、粛々と第一回目の美術の授業は始ったのだが、
無口な美術教師は、まったく何も教えることなく、
いきなり学校の隣の「森」に入り、布張りのキャンバスを抱えての写生大会となった。

取りあえず、まず何をどうすれば良いのかサッパリ分からないから、
周りの行動を観察することにした。

キャンバスに鉛筆で下描きのスケッチを始める者。
何やら絵の具をパレットに捻り出し、それを油?で伸ばしたモノを
不思議なヘラに乗せて、乱暴にキャンバスへ塗りたくっている者もいる。
私は取りあえず、その塗り潰し作戦を真似してみることにした。

白とブルーとグリーンを適当に混ぜつつ縦横に背景を塗りたくる。
先達君は既に森の様子をさらさらと描き始めている。
そうか油を混ぜたのは「乾燥を早める為だったのか…」
私もヘラのままで、幹と枝をどんどん描き進むと、そこで授業時間は終了。

翌週からは美術室で葉っぱやら、細かいディテールを描きたしてゆくのだが、
細かい陰影だの色目の変化だのを足してゆくと、
作品はどんどんリアリティを増してくるので、
私はすっかり「油彩」に魅入られていった。

作品は自分としては未完成なまま、何となく回収され、
そのまま存在を忘れてたら、まもなく夏休みに入ろうかという頃、
普段から口数の極めて少ない美術教師に呼び出されると

「お前のあの絵、入選してるから…」。

その通り、翌日の地元新聞に確かにそのことが載っていて、
どなた様か存じかねるが、選者の方が
「技術はまだ稚拙だが、浮遊感が独特で、将来性を感じた」と評されていた。

早速クラス内では「浮遊感男」が一種の流行語のようになっていたけれど、
何となく「自分の絵の特色は浮遊感!?」っていう、
変に固定した概念に取り付かれてしまって、
以後、自分の『油彩』は、何だかおかしな方向に向かいつつ、
遂には目標も意欲をすっかり持てなくなってしまった。

その時の『絵』に、今日の写真は構図も色合いも、
そして浮遊感も、とても似ていて、なんだかハッとしてしまった。
こりゃあ、ツアイスのパンコラーの特色がどうのというより、
やはり写真は撮る側の「人となり」…それがフワフワと浮ついているから、
こういう写真になるのだなあと、そんな風に思う本日この時であるのだった。



そんな高校時代も、今となっては嬉し恥ずかし40年前ということになる。
いやはや過ぎてしまえば年月ほど早いものはないなあ…シミジミ。

その頃観た映画で「M・A・S・H」というのが妙に印象深い。
朝鮮戦争時の米軍の、太平洋戦争とはまたずいぶん温度差がある
ユルい感じのドタバタ喜劇に近い映画。

軍隊内のSEXからジョーク、悪戯など、戦争のストレスから逃れる為の
兵士たちの下卑たエピソードが、妙にリアルに「面白哀しく」描かれていた。

いわゆる従軍慰安婦とか、あっさりとすんなり描かれるし、
休暇は東京に来て、すき焼きを食べながら芸者さんとしっぽり…
なんて荒唐無稽なシーンも散見されるけれど、
案外そういうのが平然と違和感なく展開されていた時代を、
今の規範で政治的にどう解決しろというのか?っていうことを、
もう一度考える為に、この映画を今敢えて再上映するのも良いかもしれないなあと思う。

ともかく、この映画でも使われていた「Japanese Farewell Song "SAYONARA"」は、
当時の米人にとっては、日中韓もグダグダ混ぜこぜな、
甘い想い出のオリエンタル・エキゾチシズムが大流行した時代でもあった。
マーチンデニーやポーギーカーマイケルなんていうミュージシャン達が
巧みにそんな音楽を編み出していって、
それがやがてYMOやMELONなんかの日本の先端音楽のヒントになったりするから、
世の中面白い。
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8 Comments

MK says..."マッシュ"
私も当時観にゆきました、マッシュ懐かしいです。
今でもこの映画の冒頭を収録した17cmシングルのサントラ盤を、いつでも聴けるようにしていますし、ハミングができる程聴き込みましたよ。
野戦病院のシーンや、オールドミスの女性看護兵すっぽんぽんになるシーンを今も思い出します。
2015.05.03 11:03 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."MKさん こんにちは"
冒頭のあのブラザーズフォー風(?)のテーマソング…
高校生でも分かる簡単な歌詞が印象的でしたね。

「♫自殺に痛みはないし、気分転換にもなる。
 試してみるかどうかは自分次第だけどね…」
2015.05.03 12:54 | URL | #- [edit]
ももPAPA says...""
pipさん こんばんわ

過去の出来事 過ちは事実として受け入れなければならないけど、その反省の上に立って・・
といえば叩かれる
我が国が何かを言ったり したりすれば いちいちそれに恣意的に対抗心剥き出しで批判する

これじゃどこまで行っても平行線

あのお方たちにはもはや何を言っても通用しないんだろうと思ったりもします。

浮遊感といえば、ホークウインドのシルバーマシンなんて曲もそういえば聴いたなぁ って思い出して・・
もう遥か昔のことですが
2015.05.03 21:15 | URL | #Wgi4adpQ [edit]
あとりえ 瑠璃絵 says...""
初めてのコメントです。
画像や文章、いつも感心しています。
私のブログは作品の紹介が主ですが、今年から
画像にも少し力を入れてみようと思っています。
しかし、これがなかなか難しい、
これからも、ちょくちょく覗いて、勉強させてもらいます。
2015.05.03 21:40 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ももPAPAさん こんばんは"
私はいわゆるゴリゴリ保守ではないし、
かといって左翼でも反日でも決してない
普通に国を愛する者だと思ってますが、
やはり「歴史」は正しく、バイアスなど一切なしで、
公平に検証した結果、謝罪すべきは謝罪し、
賠償すべきはきちんとする。
それが唯一の正しい「道」だと思います。

めいめいに勝手なバイアスで主張しあうことが何より問題ですが、
実を言えば、そうして曖昧なまま、がやがや騒ぐのが、
双方の政権にとって得策なのではないのかな?と思うようになりました。
本当に解決したければ、とっくの昔に当事国ではない
複数の第三国機関に、詳細な歴史調査(=評価)を依頼する筈で、
双方ともそれをしないってことは、そもそも解決する意志などなく、
ひたすら政治カードとして利用し尽くそう!
…そういうことだと思ってます。

取りあえず、いがみ合ったり、仲良くしたり、多様な付き合い方で
それで案外上手くゆく関係かもしれません。いつも喧嘩してるけど
実は仲がいい夫婦って、たくさんいますしね….。
2015.05.03 21:43 | URL | #- [edit]
oyajisann says..."今晩は"
今晩はサッカーに楽器それに絵画と才能豊か羨ましいです。
M・A・S・Hは私もリアルタイムで観てます。
ヘアーの色当てでシャワー小屋壊すシーンが印象かな?
24のお父さんが主演でしたね。
音楽気にしてなかったなぁ(汗)
2015.05.03 22:03 | URL | #eTRrWisM [edit]
pipco1980 says..."あとりえ 瑠璃絵さん こんばんは"
こちらこそ、拝見させて頂いてますよ!
実を言うと、私はいわゆる「JAPAN」が出来る以前から
SWAROVSKIさんとお付き合いしつつ、チロルの本社なんかにも
参上したこともあるほど、クリスタルをビジネスとして取り扱ったり
(まあヴェネチアンもボヘミアンもですけど) トンボ玉なんかも、作家を育成して云々という関係の仕事をしてましたから、
なんだか無視できないんですよ、、貴ブログが…。
まあもう大昔の話ですけどね….。今後ともよろしくお願いします。

私の画像は、決してキレイでもないですし、試行錯誤の連続ですから
あんまり参考にならないと思いますよ!。
2015.05.03 22:08 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."oyajisannさん 毎度です"
ナンシー梅木だか?誰だか分からないですけど、「さーよーな〜ら〜」って
艶かしい歌が基地内に流れて、びっくりしたんですね。
そしたら数年して細野さんやサンディが、この歌を唄ってたんで、
またびっくりしたわけです。
さらにはYMOで同じマーチンデニーのFire Crackerとかをカバーしてたりして、
そんなこんなでいつのまにかデニー絡みの音源が随分たまってしまったっていう、
いつもの状況となるわけです。
2015.05.03 22:18 | URL | #- [edit]

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