ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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2番目に幸せになれるはずだった…。

ekimae
Carl Zeiss 'Planar' 1.8/50 (for Rollei QBM)

今にして思えば…だが、ミュージシャン生活も、
やや後半に差し掛かろうとしていた頃、
私は相変わらずの一匹狼ギタリストだったが、突然...

「この際、お仕事バンド…なんてやってみる気はないかい?」と誘われた。

一匹狼での現行の仕事はそのまま継続しながら、
バンド単位での団体行動も併用すれば、仕事に広がりが持たせられる…と、
東京芸大吹科卒のサックス奏者A氏。

最初は「社交辞令か?」という感じで、忘れもしない新宿西口、
通称しょんべん横町(!)の安酒場で、ギトギト油のメンチコロッケを
つまみながら、コップ酒で語り合っていたら、
数日してその話にピアノとベース、最後にドラムが乗っかってきて、
わりと業界内では知れた存在のミュージシャン達が揃ってしまった。

皆が皆、私より5〜6歳年上の業界の先輩であるし、
それぞれに輝かしい実績を持ちつつ、
他方、それぞれ別々の有名ジャズメンとの仕事や特定タレントのバンドを抱えてるような方々。

もっとも若輩な私が、「さしあたって、何か可及的に仕事ってあるんですかね?」と尋ねると、
皆が口を揃えて

「それは君が最も得意とするところじゃないのか?」と私を指差すのだった。

なるほどやっと話が見えてきたぞ…。

私は当時、曲がりなりにも複数のタレントの専属ギタリストだったし、
意図したわけではないが、頼まれるから仕方なく、
ミュージシャンの人材派遣業(インペグ屋という)の真似事などもしていたから、
今でいう「ネットワーク」が多方向に出来つつあった。

実際「音楽家」という人種はそういった「お付き合い」みたいなのが
苦手のシャイな人が多くて、自分はその点図々しく、
業界用語で云うところのC調(調子いいの逆さ語)に振る舞ってるように思われたのだろう。

本当は彼らのような確固たる音楽的バックボーン(音大卒とか有名ミュージシャンの弟子とか)
を持たない分、人間関係に気を使いつつ、調子よくやってきたってところも、
自分にないわけではない…。

「あの野郎、楽器ヘタクソなくせに、世渡りだけ器用でやんの…」

そういう奴を自分も忌み嫌ってきたけれど、
案外自分もそう思われてたのだろうな…。

さてまずは仕事探し。
さしあたって、自分が担当してたタレントの小ツアーで予定していた
バンドをキャンセルして、強引にコチラにたぐり寄せた。
そのリハーサルにかこつけて、バンドの音固めと、
営業用の音資料(デモテープ)を作成した。
私の担当してるタレントだから事前に曲も聴けるし、
譜面もある(そもそも私が殆どのスコアを書いてる!)から、
超短期間でバンドサウンドをまとめるのも簡単…
場合によっちゃあ、アイドルを呼びつけることだって出来る…。
ともあれ、数回(1、2回)演奏しただけで、
ほぼレコード通りになる各人のスキルに驚きつつ、
バンドは実に安定的にスタートした。

すぐに業界…というか、プロダクション系列内で評判を呼んで、
多くの発注をいただくようになった。
問題は各人が元々忙しい身の上なので、なかなかフルメンバーが揃わず、
気がつけば「トラ」ばかりの、まったく別のバンドになってたりする。
さすがに翌日主催者に呼びつけられて「大目玉」を喰らうのも
何故だかいつも私の仕事だった。

5人メンバーだがギャラは6等分して1人分はプールして
バンドの運営経費に充てることで皆合意していた。
楽器の運送コストを含む交通費やメンテナンス、営業経費やスタジオ代、
全員揃った時のみの食事代など…。

そしてまたしてもその管理者は自分…。

数ヶ月して問題が起きた。
あるメンバーが、プールしてる活動経費から、
いくらか貸して欲しい(バンスというやつ)と申し出た。
私は管理者として「それは出来ぬ」と拒んだ。
当然人間関係は壊れてしまう。やがて嫌な雰囲気がバンド全体を覆い始める。

「あいつが気に喰わない」
「好かぬ」
「なまいき」

そんな言葉がボソボソ聴こえ始める。
実質的に年長で音楽的リーダーだったサックス奏者のA氏に相談するのだが、
彼は決定的なことを私に云ったのだ。

「金、貸してやれば良かったのに…」

私の中で張りつめていた何かがブチブチと切れる音がした。
「辞める」とは云わなかったが、「もう続けられない」と云って、
通帳やら印鑑やらを引き渡して私はバンドを脱退した。

なに、また元の一匹狼ギタリストに戻っただけさ…。

しかしなんだかそれ以来、何となく「厭世観」みたいなものが自分に覆い被さってきて
業界自体が、とても重いストレスとしてのしかかるのを感じ始めるのだった。

全部放り出すまで、あと半年…。



そのお仕事用バンドを結成してすぐに、
夏場はプロダクションの保養所となる越後湯沢(岩原)の
スキーロッジを借りられることになって、合宿を行なった。
その時に用意して、一番最初に合わせたのがこの曲。

これくらいなら、1回目からほぼ完璧な演奏内容となって、
「このバンド…イケルかも!」と、それぞれが好感触を得た筈だったのだが…。

スパイロジャイラで「モーニング・ダンス」。

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10 Comments

あとりえ 瑠璃絵 says...""
こんばんわ
壮絶な人生ですね
なんか違う世界の人かも
写真は秋田じゃ無いですよね
2015.05.26 21:30 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."あとりえ 瑠璃絵さん 毎度です"
いやいや、ここは秋田の駅前….。
中学〜高校生の頃、学校の帰りに毎日のように通ってた
レコ-ド屋さん「全音」があったところです。

まあ、学生と音楽と大人社会と、その境目がなくて
ぐちゃぐちゃな青春時代でしたね。
2015.05.26 22:16 | URL | #- [edit]
amamian3 says..."好きです"
この写真!!

組み合わさる音を追求するタイプ
それは直ぐに出来る(から、その先にあるもの)ので
結果から得るものを求めるものの違いなんでしょうか??
音楽をやる才能の豊かさと
伴わなければならない心の豊かさは
どうも同居が難しいようですね・・・

長男とこの孫が非難してきてます
インフルからの非難です
おかげで CUBASE 弄る間もありません(笑
2015.05.27 05:52 | URL | #wZiQHpeI [edit]
pipco1980 says..."amamian3さん おはようございます"
バンドは良いですよ、様々な化学反応があって、
各人の意図しない方向に、音がうねります。そして多くの場合は
とても幸福に感じるんですが、そうならない場合もたまにあったりして、
まったく「社会」そのものですね。

まあご家庭が賑やかなのも良いではないですか!
暫くは、いいお爺ちゃんしてください!
2015.05.27 06:21 | URL | #- [edit]
hal says...""
幸せは二番目くらいがちょうど良い、ってトコでしょうか?
後ろのキラキラとマッチして、ふわっと上品ですね、良いですね(^^。

その点大阪は、もっと直截で下品です。
大阪で二番目に美味い店、大阪で二番目にマズい店、
この辺のキャッチコピーがアリガチです♪(笑
2015.05.27 10:22 | URL | #PwYTJ1I6 [edit]
pipco1980 says..."halさん 毎度です"
うーん、2番…。
私は50人中25番くらいが「気楽」で良いですね(笑。

残念ながら人間はあまり上品ではないですが、
「プラナー」ってのは、やっぱりそういうものなのでしょうね。
なにもタッチしなくてもこんな感じの「あっさり爽やか?!」
これはこれで結構クセになります。
2015.05.27 11:56 | URL | #- [edit]
oyajisann says..."今晩は"
今晩は私は全く音楽心がないがための憧憬で
音楽聞いているようなもんですが・・・。
バンドのメンバーって個性的な方多いはず
型にはまった方ばかりだと音も定番になる
んでしょうか?
意外な事、失礼かな?バンドの脱退、崩壊
ってあるんですね。
何となく素人考えだと音の追求の違いとか
その辺を想像してしまいます。
2015.05.27 21:08 | URL | #eTRrWisM [edit]
pipco1980 says..."oyajisannさん 毎度です"
所謂ビジネスとしての「共同参画」=「コラボレーション」ですから
金銭問題、人間関係のトラブルは、普通にプロジェクトの停止、崩壊を
意味するんだと思います。

私が知ってる限り「個性的なヒト」って、意外と少なくて、もっと
嫉妬深かったり、意地悪だったり、逆に考えられないくらい
優しかったりと、とっても人間臭いヒトが多い業界だったなあって思います。
不要なまでに精神的に追い込まれる業界でもありますしね。
2015.05.27 23:07 | URL | #- [edit]
花ちゃわん says...""
あらぁ~、そういうヒトだったのね~。
ギター、そんなとこまで極めちゃってるヒトなんだ。
オラ、しこたま慣れ慣れしぐしてきたども
これがらも 慣れ慣れしんて、よろしぐたのむス。

お金と責任とケジメって、3点セットで
いつも 纏わりついてくるモノだから
危ないし、怖いよな~。

今日の記事だけで、読み応えのある小説読んだ気分。
読み応えあるはずだよね、人の人生だもの♪
(その後を、知りたい家政婦だす~)
2015.05.28 11:05 | URL | #LkZag.iM [edit]
pipco1980 says..."花ちゃわん家政婦さん 毎度だす!"
そうそう、ただのくたびれたオヤジざんすよ!。

お金にまつわることってのは、後々も、もう少し
やり方とか、言いようもあったんだろうか!?と
考えるんだけどね、難しいよね。全部の責任を自分が
かぶってやるぞ!くらいの覚悟がない限り、
いい加減なことはやっぱり出来ないしね。

あれでややこしい自体になっていたら、また別の人生になっていたかも。
いやだいやだ、そんな波瀾万丈なんて!



2015.05.28 15:08 | URL | #- [edit]

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