ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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国防ヒッピー?

DSC06411_DxOFP.jpg
Schneider-Kreuznach Radionar 2.9/80(1952)

いつの時代でも、なかなか俄に信じてもらえないのだが、
その昔、私はオフザケでも何でもなく「防衛大学校」を受験し、
そしてもちろん…無惨に落っこちている。

同級生の父上が陸上自衛隊に勤務していて、

「受験料タダだし、ウチの息子と一緒に軽い気持ちでどよ?!」

という事だったが、実はこうも付け加えられた。

「そのヒッピーみたいな髪はきちんと刈って行った方がいいな…」

結局、髪を刈る事もなく、「傾向と対策」も皆無な状態の中、
生まれて初めて、試験場となる秋田の自衛隊駐屯地に入った。

前庭に零戦型の、おそらく先の大戦末期の練習機が展示してあって、
今ならさしずめ手を触れる事さえ憚られる繊細な展示物なのだろうが、
そのときは確か日曜日、前庭を市民に開放し、
ヘリコプターの体験飛行かなにかで随分賑わっていた。

驚いた事に、蝋引きの紙を重ねて張っただけの、かなり弱々しい
零戦の機体(実際の仕様らしい!)…いやいや、見事なほどに徹底した
軽量化設計のコックピットには、近所の子供らが土足で乗り込み、
操縦桿を取り合っては、方向舵をガシャガシャと揺すり、
機銃掃射ボタンを乱暴に叩きながら遊んでいた。

昔の自転車のブレーキや変則システムのような、シンプル過ぎて、
その仕組みが良く把握できるペダル式のフラップも、雑に踏みつけ、
涙が出そうなほど刹那的にスリム化された主翼は、
ギシギシと音を立て、今にもバラバラになりそうに揺れている。

こんなで良いのか?零戦だぞ!…
特攻ではこんな練習機まで集めて、敵船めがけ飛ばしてたんだぞ!
少しは敬意を払うよう、誰も教えないのか!?

そう眉をしかめながら、髪の毛が肩まで垂れた不埒な
高3生の私ではあるが(2次試験の面接までに切りゃあいいや!)、
もうすでに心の中はイッパシの軍国少年、
国防男子なのであった。

確か主要5科目の試験を、1日で済ませる日程だったと記憶している。

試験問題は、間違いなく受験した中では際立って難しかった。
特に英語の読解力の用例文は、何かの国際条約のような難解さ。
私は英語自体は得意科目なのだが、解答表現に相当の国語力と
社会性を必要とする感じの、こりゃあとてもじゃないが、
オイラのパッパラパーの粗雑なオツムじゃあ突破は無理だな!
情けないが、そう確信した次第。

数学も、何せ傾向と対策が不明だから、数Ⅰ?ⅡB? Ⅲ? 等の
出題範囲もわからぬまま、ぶっつけ本番…
結局、出題は全くノーマークの数Ⅲだった(らしい)。

一応、試験前の数日間はこれでも、全寮生活とか、訓練や
作戦行動、さらに学生なのにお給金を戴けるとか、やっぱり卒業したら
義務ではないとするものの、一度くらいは、自衛隊勤務となるんだろうなあ…
日本の防衛はどうなんだろうか…。

そんな事を妄想的に考えてはいたのだが、
それら一切合切が、もはやコッパミジンに、跡形なく崩れ去るのだった。

「総員玉砕せんとす…」
自分の人生ではとても特異といえる国防少年たるとても短い期間…は、
難解な英文と、意味さえわからん数式の前に、
あっけなくなく砕け散ったのだった。



国防とは関連ないけど、高校生の時に、近所の大学の購買部的に
古本+古レコードを販売/買取する店があって、今は随分立派な出版社になって
地元史などを編纂し発行している様子だが、そこで私はこのレコードに出会った。

もちろんBrigitte Fontaine…誰?なんて読むの?って感じだったと思うが、
何しろジャケットにちょっとだけ魅せられてしまったのだ。

とりわけ美人でもないのに、なんとシャレオツ!?そう感じたんだと思う。
まだ、この時コラボしていた「アート・アンサンブル・オブ・シカゴ」のことも
知らないし、フランスのロック&ポップス、もちろんJazz事情など
知る由もないのだが、このアルバムを聴いて、イメージするのが
なぜだかベージュ色っぽい「アフリカの地図…」。

「そういえばフランスって意外とアフリカが近いんだな…」

高校生のときに感じたこのイメージは実は今も変わらず、その後数回、仕事ながら
パリにも出かけるのだが、ずーっと、ここはアフリカが近い…影響は隠せない。
色彩もファッションも実はアフリカの影響下にある…。
そうやって物事を見ると、なんとなく難解な街「パリ」の神髄を
あっさりと読み解ける気がするのだった。

ブリジットフォンテーヌ - ラジオのように

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8 Comments

花ちゃわん says...""
そんなことがあったんだ~。
合格してたら、どんな人生になってたろうね。

自衛隊ね・・・ウチの向かいの爺様がね
もうチョイ若い頃に、よく高校生を自衛隊に入るように勧誘してたなぁ。
爺様の息子が 防衛大学出て、自衛隊の偉い人になってるんだってさ。
尽力したとかで、爺様、いっぱい賞状貰ってたよ。

そういや、警察学校も 給料貰いながら勉強できるとかで
女の子が、受験したっけなぁ。
オラ、人と闘ったり競争したりするのはイヤだから
流されるまま・・・何者にもなれなかったわぃ。(^^)v


 
2015.10.21 15:45 | URL | #LkZag.iM [edit]
pipco1980 says..."花ちゃわん 毎度だす"
>流されるまま・・・何者にもなれなかったわぃ。

….オラも一緒だわぃ!ただ意外と闘ったり競争したりは好きかも。
っていうか、あいつをぶったおーす!って燃えないと、なかなか
熱中できなくて、そのせいで随分ライバル社...つぶれてった…かも??

右とか左とか、思想って結局環境が大っきいなあって思う。
こんな自分でも受験するだけで防衛を考えるし、おそらく受かってたら
行動や思想の規範すべてが、「国家防衛」に傾いたと思うなあ。

面白いね。
2015.10.21 16:24 | URL | #- [edit]
yuccalina says...""
毎度です。

ブリジット・フォンティーヌ、80年代にリヴァイヴァルありました。坂本龍一のサウンドストリートで聴いたような記憶が、、。

フランスとアフリカの距離って、イザベル・アジャーニがアルジェリアの血を引いてることを知ってから、意識するようになった気がします。イヴ・サン・ローランもアルジェリア育ちだし、ダニエル・ビダルはモロッコだったかな?

昔恵比寿のピガピガというお店へ一度行ったことあるのですが、英語でなくフランス語を喋るセネガルやコートジボワール等の人々は何故だか、英語を喋るケニア、ナイジェリア等々人よりもお洒落に見えました。日本人のフランスコンプレックスでそか。
2015.10.22 08:17 | URL | #FZjVRleQ [edit]
pipco1980 says..."yuccalinaさん 毎度ですぅ"
そうそう、確かにフランス人コンプレックスって自分にもあります。

その原因って、やっぱりアフリカが背後に控えてるからだろ!?
って思ったわけですね。なんだか奥座敷みたいな….。
特にアルジェリア、モロッコなんかは、アフリカ連合で、アラブ連盟で、
地中海連合っていう、そんな多様性というか膨らみを、フランスは自らの
背景として取り込んでしまうどん欲さでもって、あの「文化」って気がします。

80年代は、リジー・メルシュ・デクルーとか、ブリジットフォンテーヌの
フォロワーみたいのがオルタナティヴシーンなんかに登場して、
もしかしたその勢いでリヴァイヴァル...あったかもって気がしてます。

イザベルアジャーニもアルジェリア系ですかあ?….美しかったなあ…。






2015.10.22 09:06 | URL | #- [edit]
あとりえ 瑠璃絵 says...""
防衛大学受けられたのですか、実技は無かったですか
私の長男は、海猿学校受けました、実技(体力テスト)も
ありました。撃沈しましたが、よほど悔しかったのか
浪人して、再挑戦、受かりました。
学生なのに給料もらってました。
テレビで海猿が放映されると、受験倍率が100倍を超えた
そうです。なので、長男は優秀な後輩におびえてるみたい
ですよ。(笑)
2015.10.22 16:49 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."あとりえ 瑠璃絵さん 毎度です"
2次試験が面接じゃなかったかなと思いますが,
実技はないと思いました…。
士官が泥にまみえる事はないでしょうから…?

海猿…!素晴らしいお仕事ですよね!。私など若くても体力的に
無理でしょうから(50m泳ぐだけで一杯一杯でした!)、
何しろ強靭な肉体はうらやましい限りです。

2015.10.22 17:18 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."カサブランカ"
「カラブランカ」は、有名な台詞と、CMなどで見る場面しか知らずにいて、
ある時、モロッコは、ほとんどヨーロッパにくっついている場所とわかり、
アフリカとヨーロッパって、ほとんど陸続きみたいなのかと驚きました。

それこそ、伝説のゴンドワナ大陸、パンゲア大陸ということで、マイルスの、
日本公演が浮かんできて、アート・アンサンブル・オブ・シカゴの出す音も、
ギター加入前の1969マイルスの音に近いかなと、無理やりこじつけです。

フランスのポップスは、「アイドルを探せ」や、ミッシェル・ポルナレフ、
あとは、「ラブームのテーマ」くらいしか知らず、フォンテーヌという人が、
この手の音楽がメインなのか、たまたまコラボしたのかも、わかりませんが、
ギル・エバンス・オーケストラみたいな雰囲気で、自分は気に入りました。

「ギター・ジャンボリー」で、ロックンロールのギタリストへと転身して、
ブライアン・フェリーのバックとして来日した、クリス・スペティングが、
若き日に出したフリージャズ系の「無言歌」も、こんな音だった気がします。
2015.10.23 00:16 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん 毎度です"
クリススペディング「ギター・ジャンボリー」は理由あって
心のフェヴァリットソングです。それだけですが,妙にうれしかったりして….。

私は一時「セルゲイ・ゲンズブール」って。まあ酷い男なんですけど、
少し彼の音楽にハマって研究(?)した事があって、そうしたわけで
小西某が仕掛けたいわゆる「渋谷系」のピチカートファイヴとかっていう
やつの気持ちはよくわかる気がするんです。オシャレだけどその正体は
アフリカ…しかもイスラム圏...ってそんな感じ。ブラックイスラムってのは
マイルスしかり重要な隠れキャラ=ファクターって気がしますね。
2015.10.23 01:38 | URL | #- [edit]

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