ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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始まりと終わり

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Jupiter9 8.5cm/2(1957)

まだデビュー直前の新人歌手とはいえ、一応はプロとして
彼女のバンドに加わって、学業そっちのけでライヴ活動に
精出していた21歳の私だった。

プロダクションの社長から、デビューする前に
「ライヴ100回達成!」を彼女は厳命され、すでに
「ライヴハウスの女王!」的な称号をメディアから受けつつ、
さあ、いよいよ来月にもデビューだ!というところまで来て、
私は突然「解雇」を宣告された。

クビというよりバンドごとチェンジ!。

どうやらバンドのビジュアル(!)が問題視されたらしい。

当時の私と云えば、オシャレや流行に関心なく、
ただただ無精の長髪に髭ヅラ…そしてTPOを問わない
TシャツにGパン姿…。他のメンバーも似たり寄ったりで、
確かにテレビ的ではない。

少しして,我々のアトガマくんたちの勇姿をテレビで観た。
演奏力はともかくも、「耳目秀麗」で「オシャレ」に相違なく、
流行り始めのもみあげシャキーンなテクノカット!に
フリルのシャツにカッコいいウエスタンブーツ。
クビ元から赤いスカーフが誇らしげになびいていた…。

私は、さて学校に戻ろうか...もはや留年は必至だけど、
それも仕方がないな…ほとんどそうするつもりでいたのだが、
そんなことがあった後から、とてもありがたいことに、
様々な人から救いの手が差しのべられたのだ。

師匠!と勝手に呼んでいた編曲家から写譜(清書)の仕事を
いただくうちに、編曲の下書き(譜割とコードネームなど)を
依頼されるようになったり、馴染みのタレントさんやミュージシャンからも、
編曲や作曲、レコーディングやステージ仕事を続々と貰ったり、
今はシブい役者だが、当時はお笑いタレントだった友人からも、
既に有名人なのに、一緒にロッケンローなバンドを組んでデビューを目指そうか!?
なんて、本気とも冗談ともつかない、様々なお話をいただいた。

何だかみんな暖かいな…
もしかすると自分はこの業界で案外やっていけるんじゃないだろうか?
そう思い始めているところに、願ってもない依頼が舞い込んだ。

当時16歳。彼女は会社が今度、社運をかけて(?)
デビューさせる予定の少女。

私は偶然、それ以前に知り合いのヴォイトレの先生のスタジオで
彼女のレッスンを目撃していて、その並み外れた歌唱力に、
メチャクチャ惚れ込んでいて、あちこちで、あの娘は凄いぞ!と
云っていたら、そのせいなのかどうかは分からないが、
ならばオマエが…?ということになった。

会社が社運をかけるわりには、専属バンドを持たせる予算はなく(?)
かといってサウンド・クォリティにはこだわりたい!というわけで、
私が彼女専属のギタリストを任されることになったのだ。

地方など現場ごとに雇われるバンドに私が「バンマス」として
強引に加わって、正確なテンポを繰り出したり、楽曲の委細を
短時間で指導し、出来る限り安定したサウンドを供給させる…
そういう役割。

いうまでもないが、まだまだ半分学生のヒヨッコミュージシャンの
自分には、すべての経験が全く初めての、とても荷が重い仕事で
あったことは否めない。

結局、彼女はこちらのイタラナさもあって、
会社側が満足するような成果は得られなかったけれど、
2年弱の間、恥ずかしい失敗もたくさんあったとはいえ、
普段は絶対に出会うこともない、憧れのアーティストさん方々と
幸運にも一緒に仕事をさせていただくようになったりして、
それはもう夢のような、感動の日々に違いなかったのである。

その経験を生かしてさらなる上のステージへ…と思うのが
普通かもしれないが、自分には何だか妙な達成感があって、
もう充分かな…そう思うようになっていた。

そうしてなぜだか突然、勝手に思い込むようになったのが、
一切のキャリアを捨てて、安定収入のサラリーマンになるぞ!

ちょっとだけ自信があった英語力を生かして
商社マンになるぞ!…と思い込み、なぜだかこちらも
不思議とすんなり、実現するのだった。

で、たまたまYouTubeで捜したら…あるじゃないか…
まさにこの曲。私の大切な青春…今聴いてもとてつもない名曲に聴こえる
…何百回も弾いたからねえ…。
彼女の確かデビュー2作目だったな。


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6 Comments

mikitaka08 says...""
こんばんは

 凄いですね。
 二十歳をすぎたばかりで芸能界の荒波をかいくぐって、重責を担っていたとは。
 初めて知ったのですが、大滝裕子さんは歌がうまいですね。この楽曲も彼女のことも初めて知り、聴きましたが、お世辞抜きでいいですね。最近氾濫している若者向け楽曲をはるかに凌駕している。私のイメージでは前川陽子さんとかさなります。
 さきほどネットで調べたら、この大滝裕子さんは今もコーラスグループでバリバリ活躍しているのですね。それも大物ミュージシャンと共演している。
 歌が上手だから売れるとは限らない、でも歌が上手いと色々な形で音楽界を生き抜くことができるのですね。
 あらためてpipco1980さんの凄さを知りました。
 体調が完全に回復されたら、カムバックしてはいかがですか?
2016.02.04 20:59 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."mikitaka08さん 毎度です"
こんばんは

まあ彼女も、またその前にクビにされた彼女の方も両方とも今も現役!
ということなので、あんまり勝手で一方的な言い分で語るのも
ご迷惑かなあと思って、これまで明快に語ることを控えていたわけでして、
まあ今回一度だけ…こっそり...そんな気持ちです。

普通にギター1本でリハーサルとかしても、もう天然のリズム感というか
グルーヴ感がもの凄くて、そこいらのカラオケ自慢とはもう次元が異なるって
感じでしたね。

はは、カムバックですか? 今でもたまにね、テレビで彼女の姿を見ることも
ありますから、ああがんばってるなあ!って感じで、コタツに蜜柑で
シブ茶をすするオジイも、まあ良いんじゃあないでしょうかね!?
2016.02.04 21:46 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."実力派シンガー"
自分のアイドル歌手の変遷が、岩崎宏美、ピンクレディー、松田聖子ですが、
ちょうどその頃のデビューで、ときおりテレビ番組で見たように思います。

もっぱら明星や平凡に登場するアイドル歌手と違って、大滝裕子のほうは、
ヤングギターに、デビューする新人紹介やレコードレビューが掲載されて、
歌謡曲よりもニューミュージックのくくり、実力派シンガーの扱いでした。

「ミリオンキッス」は、アレンジやサウンドが、後のパラシュート系で、
ニューミュージックからシティポップス、Jポップへと進化する流れの、
真っ只中で、pipco1980さんがプロ活動されていたのは本当すごいです。

90年頃だったか、ユーミンのコンサートに、大滝裕子がコーラスでいて、
まだ活躍しているのかと驚いたのですが、いまもって現役のようですね。
2016.02.04 22:09 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん まいどです"
こんばんは

アルバムは1枚しかないですけど、次利さん中心のセッションと
渡辺茂樹さん(ワイルドワンズ→スペクトラム)セッションのWキャストで
録音されており、その後のシングルはパラシュートや達郎さんのバンド
のメンバーなんかを起用してますから、おっしゃる通り
結構ニューミュージック寄りでしたね。

ちなみにクビになった方の彼女のデビュー曲は徳武さんが弾いていて、
たった8小節のソロがスライドとフィンガーの絶妙なコンビネーションで
難しすぎてコピーできない!仕方なくご当人の家まで押し掛けて
弾き方を教えてもらいましたが…ほどなく解雇と…(泣。

まあ、たった数年ですけどエピソードは死ぬほどあります…
ほとんど失敗談ですけどね。
2016.02.04 22:49 | URL | #- [edit]
花 says...""
すごいことやってたのね~♪
経歴がハンパねっすな。
ギターに、英語に、カメラ♪

この写真、見たとたんに笑った!
店主の顔が見てみたいけど、きっと なまはげだろうなぁ。
「包丁研ぎます」だって。(* ̄m ̄)
一度入って呑んでみたい。
酉の刻なら、会社終わってからでも 行けるナァ。電車で・・・


2016.02.05 13:43 | URL | #LkZag.iM [edit]
pipco1980 says..."花ちゃん まいどだス"
大おおおお昔の話だス。

ここ、わりと有名な店みたいだすよ!
ただ周辺の同業のオヤジどもに言わせると

「ここで安いキリタンポにジュンサイその他諸々
 名物らしきもの食って秋田のもの制覇したなんて
 思われるのが癪だ!もっとうめもんいっぺあるど!」

ってことらしいです。

まあいつか...酉の刻に….クマとかタヌキは連れてくなや!。


2016.02.05 16:58 | URL | #- [edit]

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