ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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独り暮らしの代償

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Leitz - Summar 5cm/2 (1937)

つげ義春の世界みたいだ!。

上京して、念願の独り暮らしをスタートさせたのが、
東京の端の「雑色」という多摩川土手近くの辺鄙な町の、
まさにこんな感じの、下宿屋の西日のきつい四畳半。

東京で迎えた初めての夏休み早々に、
故郷秋田から遊びにきた友人達は(バンド仲間だな)口を揃える…

「折角東京に来たのに、ココじゃあ秋田より田舎じゃんか!」

「ライヴハウス行くにも、新宿とか、シモキタとか、
 コウエンジ、キチジョージなんて死ぬほど遠くね?...」

諸事情あって、3月末までジタバタした挙げ句に
なんとか「滑り止め校に滑り込み…」で、
入学手続きを済ませたのだが、なにしろ
その頃になると、頼みの「学生寮」は満員、
不動産をあたっても...

「こんな時節にさあ、空き部屋抱えてるわけないじゃんかあ!」

と、何だか馴れ馴れしいな、東京の不動産屋は!という感じで
ほとんど門前払い。

結局は友人のツテで、本来はハナレの建物を取り壊す予定に
しているのだが、場合によっては1年間だけ延期しても良い!
という大家サンを紹介してもらい、1年の約束で入居することに
なったのがこの「つげ義春風」のハナレ。

もちろん四畳半一間、風呂なし、トイレ/台所共同…
敷礼なしで家賃9000円、公共料金は定額で月3000円也。

銭湯は徒歩5分圏内に3軒。
コンビニという概念はまだないが、タバコ屋にジュース類、
新聞、雑誌に菓子類等々の雑貨屋は各筋に一つはある…。

お金はもちろん、もう何もかも足りなかったけれど、
何だか毎日愉しかったな。

それから30年も経った頃だろうか、ある日の日曜日、
銭湯マニアの家人がタウン誌のTOKYO WALKERを展げながら、
突然云うのだ…

家「ねえねえ、ザツショクって知ってる?蒲田の先の…」

私「そりゃあゾウシキって読むんだよ、ゾウシキがどうしたって?」

家「評判のいいお風呂屋さんが何軒か有るみたいだけど…行ってみない?」

私「その銭湯なら知ってるよ。まさに裸の青春のページェントさ…」

家「よし、行こう!行ってみよう!今行かないとアナタは後悔する気がする!」

私「京急なんてメンドクセーなー」

家「帰りは蒲田に寄って名物餃子で一杯でどう!」

私「なら行く…」

現場はもう、果たしてココが昔来ていた銭湯なのかどうかの
記憶すらなくて、お湯に浸かりながら、なんだっけ、
ココで自分は何だか思い出せないが、とても貴重な…
未曾有の体験をしたような気がする…なんだっけなあ…。
と、古い記憶の欠けたピースを懸命に捜していた。

黄色いケロリンの桶と腰掛けを拾い上げて、
洗い場の鏡を見て、不意にとんでもない事実を思い出した。

そうだ、昔ここで、まさに大都会東京独り暮らしの
代償にして洗礼の、壮絶な体験させられたのだ!
突然妙な菌をうつされて、とんでもなく股間の痒い、
地獄の悶絶…そうだココだ、ココに間違いない!

あの思い出の、超痒い、悶絶の夏…。
ヒトナツで治ってホントにラッキーだったぜ。

あとは自分の身体を洗う前に、猛然と泡立てながら、
ケロリンをゴシゴシと洗いまくる私であるのだった。
(現在の銭湯、衛生面は格段に深化しています。)



スティーリーダンも然りだが、ジャズだかロックだか
判然としない音楽ってのに、高校生頃にもなると
とても魅力を感じていた私であった。

まあ下手にジャズに寄せました、ロックに接近してみましたというのは、
とんでもなくダサいし、無様だなあとも思うのだが、
今日のマーク=アモンドは、ひたすらカッコいいんだが、
不思議なバンドでもあり、とても気に入ってた。

このレコードは同級生だが、やはり諸事情あって2つほど年上の友人Nが
私に貸してくれた膨大な数量のレコードの中の1枚。
彼もまた不思議な男で、呆れるほど顔が広くて、ラジオDJもそのディレクターも、
出張で来たレコード会社のARマンともみんなタメグチ。
そして恐ろしいほどの奇怪なレコードを、どこからか調達してきては、
「これ聴いてみろよ」と、いつも乱雑に私に貸してくれるのだが、

あきらかな「又貸し」に、私は多少のヤマシサを感じつつも、
知らない音楽に触れるのは本当に愉しい!っていう欲望に負けて、
全く聴いたこともないネームのロックやジャズのレコードを、
毎日のようにイロイロ借りて聴いていたのだ。

このマーク=アモンドの3作目「復活」も、そんな中の一枚。
ジャズなのかロックなのか、フォークなのか、
果てまたプログレなのか??そしてそんな小さなことなど
どうでも良くなるような不思議な力を感じるレコードで、
結局当時出ていた作品全部や、ジョンマークのソロ、
さらに別プロジェクトでニッキーホプキンスと組んだスイートサーズデイまで、
ほぼ全作品を、何故か買わずに借りて聴いていたのだった。
(マニアックすぎて、田舎のレコード屋には置いてなかったって事情もある…)

やがてCDの時代になって、初期の数枚だけ買ってみたが、
これもなんだかアナログで聴いた時の衝撃というか、破壊力は
ちょっと薄れていたかもしれない。

今一度じっくり聴き込んでみたい、そんなマーク=アモンドである。
Mark-Almond - Monday Bluesong「月曜日の悲しい歌」


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8 Comments

hal says...""
まさしく!
二階の窓から李さん一家が外を眺めていそうです♪(笑
2016.04.08 11:10 | URL | #PwYTJ1I6 [edit]
pipco1980 says..."halさん 毎度です"
そう、まさしく二階の窓から、一家がこちらを見ていてくれたら
どんなに凄いだろうって思いながら撮ってましたよ!
ちなみに最近見た「海街ダイアリー」って映画でも、そのパロディと言うか
オマージュみたいなシーンがあって、笑いました。
さすが映画の話より、ライカの話をさせたらやたら熱いっていう是枝裕和監督!
2016.04.08 11:38 | URL | #- [edit]
バニーマン says...""
>つげ義春の世界みたいだ!。

まさに!
こんなところ、残っているんですね。

「雑色」、初めて知りました。
そりゃ、奥さん、読めませんよ(笑)

マーク=アモンドも初めてかな・・・
名前は知っていますが、なんともけだるい午後みたいな音で・・・
2016.04.08 20:49 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."バニーマンさん まいどです"
まあ東京ローカルで申し訳ないです。
私も最初「砧」とか「茅場町」とか読めなかったです。

マークーアモンドは、こんなですけど、2人とも元ブルースブレーカーズ!
バリバリのブルースマンで、ブリティッシュロッカーなんですが、
トミーリピューマのプロデュースでデビューしてますんで、
その影響からAOR的な切り口も垣間見えたりして、まあなにしろ
捻りまくってて魅力的でしたね。
2016.04.08 22:34 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."マーク=アーモンド"
ラリーカールトンだったか、曖昧なのですが、スタジオミュージシャンの、
参加アルバム、名演といったリストで、マーク=アーモンドを知ったものの、
どんな人たちなのかもわからず、ディスクユニオンやタワーレコードにも、
彼らの作品はなく、気になったまま、たまに名前を思い出すバンドでした。

タワーレコードには、マーク=アーモンドのタグはあるものの、いつも空で、
そんなバンドがけっこうありましたが、CDの時代になると、お金をかけず、
過去の録音をCDにして儲けようとばかり、マニアックな作品もCD化され、
今では、大半がYouTubeで聴けてしまい、当時の飢餓感など嘘のようです。

彼らの作品は、AORとすべきか、ジャズロック、フュージョンと呼ぶのか、
どちらにしても、そうした音楽は、英米、欧州、ジャズ、ロックを問わず、
あちこちから湧き上がってきたんだと、過去の作品に触れて思う昨今です。
2016.04.09 12:56 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん 毎度です"
田舎に居るときは「知る人ぞ知る」的なバンドでしたけど、
上京してみると、意外とよく知られたバンドらしく(?)、
学生バンド内でも、マーク=アモンドの1stの〇〇みたいなサウンド云々…
何て会話には、正直驚きました….ああ、みんな知ってんだあ!って。

「中古盤店!」行くと、こうしたレコードを膨大に目撃するわけです!!。
それも「おおさすがが東京!」って感心したものです。

まあ、今はね、そこまでの洋楽好きって、どこまで居るんでしょうかねえ?





2016.04.09 13:30 | URL | #- [edit]
mikitaka08 says...""
こんばんは

 二階のカーテンの影がなにやら「ネジ式」の少年に見えます。

 一階の窓下にあるアルミ製スライド梯子がなければ昭和どころか大正時代のおもむきですね。

Monday Bluesongとはネーミングも楽曲にピッタリですね。

ジャズでもロックでもなく柔軟な発想から繰り出される不思議なトーンですね。当時のレコード会社も評論家も売り出しやコメントをどのようにつけたか、ちょっと興味ありますね。 
 
2016.04.09 22:12 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."mikitaka08さん まいどです"
おはようございます

みなさん、つげ義春にはとても反応が早いですね!
世代を超えた普遍的な人気のヒトなんでしょうね….
でも、「ガロ」ですよ…?

最初は輸入盤のみで、後年、国内版発売されてたと思います。
ただ、ミュージシャン系には異常に評価の高い、仲間同士の
「合言葉」みたいなグループでは有りましたね。
現代のヒップホップDJ達が、何故か古いジャズメンのロイエアーズを
好むような感じ???。
2016.04.10 09:45 | URL | #- [edit]

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