ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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騙すより騙された方が...

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Leitz - Summar 5cm/2 (1937)

何の変哲もない児童公園のベンチ….
ただそれだけなのに、なにか思わせぶりなドラマ性…。
そうした詐欺師みたいな、胡散臭くてエロい描写こそ、
古いライカレンズ(Ernst Leitz)の特殊なところで、
未だに人を惑わす、神懸かり的な人気の
その由縁なのではないかと思う。



期せずして、かつての私が関わることになってしまった
本物の「詐欺師」は、思わせぶりでも、
もちろんエロくも、胡散臭くもなくて、
極めて地味で普通の同世代の男…を、
取りあえず私の前では、装っていた。

そして今にして思うのだが、
たぶん私が勤める会社の商品(ファッションもの)を
取り込んだところで、大した儲けにもならぬし、
金塊やダイヤのような換金率も極めて悪い…
ということを見越した上で、
途中から攻撃(攻略)のターゲットを、
私の会社ではなく、私という人物個人に、
絞り込んでいたと思う。

詐欺師は云う…

詐「君のその物凄く幅広い人脈から、どこか信頼できる
  貴金属店を知らないか?」

私「信頼って?」

詐「知ってると思うが、関西の貴金属業者は、殆どの場合、
  ダイヤモンドの鑑別書を偽装してるから、実際より
  1ランク低いグレードの品を、高い値段で掴まされるんだよ。
  東京で信頼…いや、良心的と言い換えても良いが、
  そんな貴金属業者と安定取引できれば、君の会社にも
  中間マージン等々、儲かる話だと思うんだ…!」

私「(そりゃあ…いい話だ!)良心的かどうかは分からないが、
  何件か個人的に知ってる貴金属店の社長がいるから、
  訊いてみようか…」

詐「頼むよ。もちろん決済は即金か小切手だから、安心して良いよ」


私は、呑み友達でもあった貴金属屋の社長に、
この話を持っていった。

いつもいつも彼からは仕事上の愚痴を訊かされていたから、
その社長にも、少しは良い思いをさせてやりたいと思ったのだが…。

当初はまさに、ほんの数十分で数百万円の在庫取引が、現金決済で
完了し、確かに私は愚痴社長に感謝された。

しかし私は、愚痴社長にはくれぐれも
「現金または当日小切手取引」の原則を絶対に崩さず、
自己責任において取引を完璧に完了させること。
万が一、何か予期せぬトラブルが生じた場合も
自分はまったくの部外者であること。
それをきつく厳命した…つもりだった。

3ケ月後、詐欺師はいよいよその正体を晒し、
取り付け騒ぎのパニック状態の、まさにその最中に、
その貴金属屋の愚痴社長が、顔面蒼白で私の前に現れた。

「ああ、社長のところは現金取引だものね…良かったね」

と、私が云うと愚痴社長は…

「実は、先日、どうしても持ち合わせがないっていうから、
 400万ばかし先付け小切手で(品を)渡してしまった。
 その決済期日が今日なんだよお…どうしてくれるんだよお…
 それが入らないと、明日、従業員の給料払えないんだよお
 責任取れってんだよう、この野郎!」

もちろん、私にも言い分はある。
約束を破ったのはそもそも…そうも思ったけれど、
次の瞬間、まったく意外にも私は…自分の貯金を取り崩して、
所定の金額を愚痴社長に用立てしていた。

あくまでも、あなたのところの従業員に罪はないから…
毎月少しずつでも返済してくれりゃいい…。

ところが、その金も結局従業員達には届かず、
愚痴社長はそのまま行方不明…。
以前から経営は逼迫していたらしい。

私はまさに踏んだり蹴ったりの、二重の詐欺に遭ったような
最悪の気分だったけれど、自分の会社も、被害的には軽傷だったし、
私も以前と何も変わることがない状況にあったので、
これは明らかに、自分の「慢心」が引き起こした天罰で
なんらかの警鐘で戒めだなって、そう思うことにした。

金なんて、また貯めりゃあ良い。

そして、今、あらためて邂逅してみて思うのだ…。

たぶん、騙す側より、騙される側の方が、
数百倍…気持が楽なんだろうなって…
騙される側で良かったのかもね…。



詐欺と云えば、前回に引き続き登場のニックロウ率いる
ブリンズレーシュワルツ(Brinsley Schwarz)

デビュー早々、いきなりの、夢にまで見た全米ツアー話(実は詐欺)に
まんまと乗せられ、大借金をしつつ、大勢の英国プレスなどを招待して
アメリカに渡ってみたら、豪華ホテルでのレセプションも、
ツアーブッキングももちろん何もなく、やっと騙された事に気付くが、
もはや、帰りのチケット代すら持ち合わせてないから、
仕方がないから、自分らで地道にバーなどに営業し、ライブなどを行ないながら
やっとのことで帰りの旅費を捻出できたのだそうで、
キンクスなんかもまったく同じ目に遭っているが、帰国してみれば
やっぱり借金地獄…。生きる為に、ちょっと怪しげなレコードを制作してたり、
某アイドルグループのゴーストライターをやったり...なりふり構わず稼いだ
彼らの70年代!?

確かにこのバンド….音楽はカッコいいんだが、
ナリはちょっとみすぼらしいし、地方パブでの演奏が長いせいか、
振りも相当ヤバい……??。

そうしたわけで、たぶんこれはこのグループ最大のヒット曲だろうと思うが、
むしろエルヴィス・コステロがカバーしたモノの方が
より有名だったりして…。

因みに数十年後、日本の新宿を舞台にしたコッポラの娘が監督した
映画のシーンで、主演のビルマーレイがカラオケボックスに乱入し、
この曲を熱唱したおかげで、作者のニックロウの元には、
考えられないほど多額の入金があって、とても驚いた!…と、
日本公演でニコニコしながら語っていた。

BRINSLEY SCHWARZ - "What's So Funny 'Bout Peace, Love And Understanding?"


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8 Comments

Pさんへ says...""
いやー凄いですね
ポーンと400万ですか
私も商売していたので色々ありましたが
ポーンとは出来ませんでした
騙されていると、分かってて
ブッケンを譲った事は何度かあります

2016.05.26 16:52 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."瑠璃絵さん まいどです"
いやいや、この時の自腹は一千…を軽く超えてます…。
実は、注文は1億弱くらい貰ってたんですが、納入直前に
強烈な疑いを抱く事件があって、すんでの所で被害は最小に防げたんです。
それでまあ….授業料だな!?って、当時はそう思ったんでしょうね…。
自社の損金まで自腹負担(長期貸し付けですが)しちゃいましたよ…
バカですね。まあ、バブルな時代ですから、自分でも異様なほど
賞与とか貰えてたので、殆ど貯金にまわせてただけで、またすぐ貯まるさ!
何て思ってたんですが、もうその後は全然…でしたねえ。
2016.05.26 17:53 | URL | #- [edit]
バニーマン says...""
自腹一千・・・、凄すぎです。
バブルって、絶句(^_^;)

BRINSLEY SCHWARZ - "What's So Funny 'Bout Peace, Love And Understanding?"
これ、どうも懐かしいと思ったら、コステロで知っていたのかな・・・?
良い曲ですね。
ソフィアの映画は観ましたが、そうかあの映画でそんなに印税入ったんですね(笑)
2016.05.26 21:20 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."バニーマンさん まいどです"
金の使い方を知らなかっただけです…。

ブリンズレーの後期というか最晩年の曲ですね。
初期はアコースティックで素朴なバッファローとかCSN&Yを
目指したかなっていう感じでしたが、後半はやや洗練されたかな…
振りはイケてないですけどね(笑。

バニーマンさんに映画を語るなど千年早いぜ!…って怒られそうですが、
この映画「Lost In Translation」は好きな映画です。
私のブログのどこかで書きましたが、この舞台となったパークハイアットの
最上階のラウンジに行くと、この映画と同じようなセンチメンタルな
気持ちになる好きな場所として、何度も通いましたが、
この映画を見たあとは、何だか行けなくなっちゃいましたね。




2016.05.26 21:40 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."プリンズレー"
この曲は、ロックンロールというよりも、わりとポップな感じがしますが、
根底には、カントリーやもっとアーシーなサウンドが見え隠れしています。

服装は、昔の学生キャンパスで見かけるアマチュアバンドみたいな格好で、
イギリスの人は、こんな感じなのか、アラン・ホールズワースの初来日は、
アランはTシャツに冴えないジャケットで、ボーカルはポロシャツでした。

アメリカツアーの件は、タコ部屋とドサ周りを合わせたようなひどい話で、
まあ、今でもタレント志望、モデル志望は似たような目に遭っていますね。
2016.05.26 22:41 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん 毎度です"
確かにカントリーっぽいポップスでデビューするのですが、
やがてサウンドは、意図的にビートルズの1964年だけを
抽出して、英国独特のアイロニー多めで再構成したような
感じになって、それはやがて○×ローラーズの黒幕として活かされつつ、
コステロを発掘し、自分もアーティストとしてコンスタントに
アルバムリリースを重ねつつ、来日も、バンドで来たり、
一人で来て区民センタークラスで弾き語りライヴをしたりと
愉しませてくれる「英国のカッコいいオジサン=Nick Lowe」…です!。
2016.05.26 23:09 | URL | #- [edit]
天安 says..."ひさびさで、、、"
久々にはいらせてもらいました。
身の回りでのいろんな雑用が多くなって
なかなかブログの更新もできず、
こうやってヒトサマのブログに入るのも
一ヶ月ぶりくらいかな。
まずはやっぱりピプコさんのブログと思い、やってきました。
写真(ベンチ)がいいですね。
写真にはあまり関心はないのですが、
この写真は、見ているだけでなんとなく落ち着く。
遠い昔のことが思い出されるようななつかしい気持ち。
どこにその秘密が隠されているのかわからないけど、
安堵のベンチです、これはすばらしいフォトだと思いました。
またたまに入ってきますんで、よろしく。
体の調子もいいですか? ^^。
2016.05.29 13:55 | URL | #Hzotv27w [edit]
pipco1980 says..."天安さん まいどです"
お忙しそうですね!
無理せず、まあ時間がありましたら今後もお寄りくださいませ。

写真お褒めいただいて嬉しいです。
なんとなく…懐かしい…最高のお言葉だと解釈します。
ありがとうございました。

2016.05.30 01:07 | URL | #- [edit]

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