ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
MENU

DSC04785s.jpg
Leitz - Summar 5cm/2 (1937)

ふんわりトロけるタイプの現代的な「背景ボケ」を
高品位な「美しいボケ」と称して、賛美する傾向にあるけれど、
私は昔のレンズの、ザワザワ&ガッサガサの素描みたいな
「二線ボケ」が大好き!。



高校生の頃、年末の地元新聞を何気なく眺めていたら
やはり地元の百貨店が後援する大イベント
「ビートルズフィルムコンサート」開催の記事を発見。

まあ、今となっては特に珍しい映像でもないのだが、
なにしろ家庭用ビデオなどなかった時代に、
映画館以外に「動くビートルズ」が拝める、
とっても貴重な機会であったのだ。

そうかそうか…えっ!…生バンド演奏有り??
出演ミッドストリート/クロスロード…。

ミッドストリートは地元では有名なゼッペリンコピーバンド!
たぶんビートルズ曲なんて、彼らにしてみれば雑作もないことで、
暮の率の良い営業バイト、いやはや羨ましい限りですな…!

ところでクロスロードって何?誰?
ビートルズなのにクロスロードってちょっと
間抜けじゃないか??
クリームのコピーバンド?、クラプトン風な
泣きのギターでキメるビートルズ?

そうかそうか…While My Guitar Gentry Weepsね…
アレ演るわけね..はいはい了解了解…
などと勝手に想像して遊んでた私。

これがやがて他人事の笑い事...ではなくなるのだ。

今では地元でも人気のブロガー(!)で、
地元をあちこち歩いてるS君(ホントにいいヤツ!)。
顔見知りではあるけれど、会話したことは
それまでなかったと思うのだが、
そのS君が私がいる教室にやって来て、
古い友人のように話しかけるのだ。

「ちょっとね、君の力を借りたいんだ…」

その日のうちに「ついて来い!」とS君に
言われるままに、わりと私の実家の近所の
今は無くなった踏切のそばのアパート、
日当りの悪い六畳一間に連れて行かれた。

そこにいたのは長髪に不精髭の、いかにも
時代遅れのヒッピーみたいな風体の、
死んだ魚みたいな目をした男(当時22歳)と、
その子分と思しき、私と同学年のミラーサングラス男。

「22歳」が私にいうのだ。

22「S君から噂は聴いてるよ。凄いやり手らしいじゃんか!
  俺たちと一緒にやろうよ…結構こずかい稼げるしさ…」

稼げる?
どういうこと??

22「取りあえずだな、今夜空いてるかい?
  広小路の喫茶店J…あそこで今夜ライブやっからさ
  早速一緒にやろうぜ!」

私 「ちょっと待ってください…やるって何やるんすか?
  ロック?フォーク?リハーサルは?譜面は?」

22「君は案外細かいね…いいんだよテキトーで。
  それで充分だからさ!」

私 「ああ、もしかしてアヴァンギャルド…?」

22「感性だよ感性…信じてるからさ、君のハート!」

すると同い年のミラーグラサン男…が、風体の割には
意外に優しい小声で言うのだ…。

グ「C-G-Am-Emとか、その周辺をぶらぶら散歩する
  みたいなコード進行ってあるじゃんか…」

私「ああ、カノンコードとかって奴?」

グ「それそれ、大体それで全部イケるからさ!
  あとは適当にオカズつけてりゃ大丈夫よ」

さて、ライブが始まった。

やっぱり適当にカノンで合わせたら本当に、
何とかなってた!。

歌は何だか聴いたことあるぞ…
「花・太陽・雨」…PYG?…ジュリーじゃんか!?
最初っからそれを知ってれば、
もっと上手く対処できたのにな?

1曲目が終わったあと、「22歳」の驚愕のMCが始まった。

22「みなさんこんばんは、クロスロードです…」

私 「えっ?…クロス…もしかするとこんな調子で
  ビートルズやるんかい??」

そのまさかが始まった…Cのカノンコードで強引に圧す
「ヘイジュード」…。

これってFだろ…それがCで始めてしまって、
今後の展開とか、もう全部ぶっ飛んで分からなくなってきた…
と思っていたら、不思議なことにわりとこれが…
合ってたりするのだ。音楽って不思議だあ!
って思いながら、どうやらライブは終了したらしい。

さて22歳は言うのだ。

22「やっぱり君は凄いよ!次は、ビートルズフェア…
  今日の調子でよろしくね!」

私 「あのう…やっぱキチンと練習…せめて演しものの
  打ち合わせくらいはしたほうが…」

22「あれ~、君もしかして、唄いたいの~?
  1曲くらい唄わせろってかあ!?」

私 「そ、そんなんじゃないです!」

22「じゃあ、また今日みたいにさ、ハートで頼むよ」

さて…さすがビートルズ?...フィルムとはいえ、
超満員の大ホール(産業会館)。

本番では、あまりに変わり種で、歌詞も随分いい加減な
ハプニングビートルズ(!)に、主催者(百貨店担当者)も
当然ご立腹の大クレーム…は、もはや言うまでもない。

実に当然な「罵声」を浴びせられて、
私は意外と深く傷ついたりするのだが、
「バンマス22歳」は全くへっちゃらで、
「あんな細かいことばかり言う奴は、出世できんから気にするな!」
と、まさに糠に釘。

一体この男、ただのバカなのか大人物なのか!?…。
人生経験少ない高校生には、まだよく分からないのだ。

私はその後上京などするから、彼らとは縁が途絶えるのだが、
残ったS君なんかは、悪徳プロモーターとなった
「22歳バンマス」に、散々酷い目に遭わされた挙げ句、
何か取り返しのつかない事件を起こして、ある日突然、
行方をくらましたんだそうだ…。

さて屈辱のステージのあと、ギャラ代わりに貰った
「レコード引換券2000円分」で、早速、帰宅途中に
レコードを購入したのだが、それが忘れもしない
ブルース・スプリングスティーンのアルバム。

結構聴きたかったのに、
何故か誰もアルバムを持ってなくて、
自力で買わなきゃなあ、と思いつつ、
なかなか買えないタイプのレコード。
ギフト券の力を借り、相当遅ればせながらで、
やっと買えた感じだ。

その日、帰宅して、部屋で一人になると、
あまりの恥ずかしさと自己嫌悪に、
ガタガタと震えが停まらずに、
意外と気が小さな自分が露呈して、
我ながら驚いたりする。

悔しいのか悲しいのかよく分からない
17歳にして「ああ人生終わったかも!」
などと思い込み、慟哭に咽びながら聴いた
「涙のサンダーロード」。

この曲には直接関係ない話だが、
そういうわけで、以来、この曲がラジオやなんかで
聴こえてくると、悔しいんだか悲しいんだかよく分からない
不思議な青春のほろ苦さで、ちょっとだけ呼吸困難になるから、
実はあんまり聴かないようにしてたりする曲。

BRUCE SPRINGSTEEN - THUNDER ROAD


蛇足だが、こんな風にこの曲を弾けていれば、
どんなに誇らしかっただろうか!!とは、随分後に知る
ウィルソン・ピケットwith デュアン・オールマンのこの名演。
因みにDuanは今風にはドゥエインと読むらしい…どうでも良いか?!
Wilson Pickett - Hey Jude



にほんブログ村 地域生活(街) 東北ブログ 秋田(市)情報へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
スポンサーサイト

6 Comments

バニーマン says..."あ~、「涙のサンダーロード」"
こんばんは。

実は、ボスの曲で「涙のサンダーロード」が一番好きかも(笑)
これが入っている“明日なき暴走 (Born to Run)”も個人的にはアルバム・ベスト10に入る作品です。

そりゃ高校生がデュアンみたいに弾けたら!
誰もわかってくれないかな、そのスゴサが・・・(^_^;)


2016.07.03 20:56 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."バニーマンさん まいどです"
こんばんは

実は、ボスのアルバムで、まともに(?)買ったのはたぶん
このアルバムだけだったように思います。もちろん殆ど聴いてはいますけど
買うに至るかそうでないかって、意外と重要じゃないですか…!?
ですからしょっぱなのこの曲は、自分にとっても案外、
大事な曲だったりしますね。

自分はただただ慌てながら、海で溺れたように手足をバタバタ
させてただけみたいな気がします。実は今でも時々夢にみますが
オバケより恐い夢だったりします。
2016.07.03 21:46 | URL | #- [edit]
瑠璃絵 says...""
最近の写真は「うったえるもの」が
ありますね。

私はずっと工事写真を撮してきたので
何百枚もの写真で使用材料や工事工程を
検査員に「うったえて」きましたが
Pさんは、たった一枚ですから
凄いです。
2016.07.04 06:45 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."瑠璃絵さん まいどです"
こんにちは

建設で云うと、設計図と完成予想図はあきらかに
タッチが異なるわけで、まあ考えようによっては
予想図だけで出来た家って、とっても興味深いですけど、
あり得ないですね!別ものですね...。
ただ胸を打つのは...果たして??
2016.07.04 13:37 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."スプリングスティーン"
スプリングスティーンは、「ボーンインザUSA」でようやく知ったという、
いつものパターンですが、曲自体は、パティの「ビコーズ・ザ・ナイト」や、
ビートたけしが漫才ブームの頃に、カバーした「ハングリーハート」など、
スプリングスティーンとは知らずに聴いて、けっこう気に入ってました。

これも勘違いで、スプリングスティーンと、スプリングフィールドを混同し、
リックに、ダスティにバッファローときて、ブルースかよと思ってました。

デュアン・オールマンが「ヘイ・ジュード」のカバーのバックで弾いたとは、
スタジオの仕事もこなしたのか、ボズ・スキャッグスのも同様でしょうか?
2016.07.04 20:12 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん 毎度です"
とりあえず、ドゥエインオールマンは、マッスルショールズには
欠かせない、アトランティックソウルの宝みたいなセッションギタリストで
名演多数....!というところです。

ボスは、現代ではマッカ、ストーンズと並び、世界三大
スタジアムアーティストと呼ばれて、世界中で大動員の記録を
互いに塗り替える存在ですから、とりあえず今後ともお見知りおきを!
てなわけです。
2016.07.04 20:52 | URL | #- [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://pipco1980.blog.fc2.com/tb.php/752-13a29c12
該当の記事は見つかりませんでした。