ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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水辺のエグザイル

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Leitz - Summar 5cm/2 (1937)

海のそばにはなかなか住めないけれど、
川のそばなら案外簡単だ…。

秋田の実家は、そのまま私の生家であって、
引っ越しなど、一切してないけれど、
東京にいる35年間の、その前半10年は
もう年中行事のような、引っ越し人生。

その都度、色々な利便性を考慮した上での決断であって、
一応、それなりの事由があるにはあるのだが、
そこは結構、環境を変えることの高揚感というか
新たに住む街の有様を、通りすがりではなくて
「自分の街」という自覚でもって、散策する楽しさは、
これまた格別でもある。

銭湯、雑貨屋(→コンビ二)、酒屋、クリーニング屋、
古本屋、中古レコード屋、レンタルビデオ店…
そして定食屋、ラーメン屋、蕎麦屋から、
グッドバーやグッドカフェ、焼き鳥屋に至るまで...

それらが思いのほか良い店だったりすると、
この引っ越しは大正解だったのだ!と
密やかなヨロコビに打ち震える私なのだ。

そんな中で、あえて意図したわけではないけれど、
引っ越した先はほぼ確実に、川のそばだった。

理由あって、急な上京だったから、住まいが決まらず、
取りあえず、何処か見つかるまでという条件で入居したのが、
父の勤務先の「本郷」の社員寮。

お茶の水駅からほど近いところで、ご存知神田川が
ドッカンと流れている。

その後、ようやく決まったところが、東京の端の
多摩川の流域近くの土手っ淵の下宿屋。

翌年には同じ街の、中小零細な町工場がひしめくエリアを流れる
「呑川」っていう、あまりに外見的に似つかわしくない名の
鈍色のドブ川の畔。

雑多な生活廃水と、工業廃水のケミカルな臭いが入り混ざった、
コメカミのあたりがキリキリと痛む独特の悪臭だけでなく、
晴れた日など、水面の照り返しが、微妙に金属質な虹色...
その不気味さに、半年と保たず、また引っ越し…。

井の頭公園の池を水源として、三鷹、杉並、中野、新宿を
ウネウネと蛇行する、再びの神田川…は、
当時、大雨が降るたびに、堤防決壊寸前!を知らせる
サイレンの音が、沈没寸前のタイタニックの、
悲しい霧笛のように聴こえて、本当に怖かった。

この辺りの神田川は、大規模な護岸工事で
今は洪水の危険はなくなったようだが、
その後、立ち寄った川の姿は、
なんだか哀れなサイボーグ…。
川というより、巨大な「流しそうめん」のコースみたいだったな。

新婚時代は、家人にあたる人物が、まあ未だに変わりないが、
突飛なことを突然言い出す、わりと周囲を振る舞わすタイプ。
云ってみれば退屈しない人だけれど、いきなり

「海のそばに住みたい!」

って言い出すので、私はたぶん10人が10人そう答える
ような返答で…

私「東京で海のそばって何だよ?大森海岸?羽田辺り?」

家「あるじゃない!竹芝桟橋とか…」
 (注、まだお台場辺りは夢の島とか呼ばれ…人が住む環境ではなかった)

私「竹芝?…倉庫街じゃないの?」

家「それが最近、マンションとか出来始めてるらしいのよ」

私「でもなんか不便そうだな」

家「そういう生活感がないのが、また楽しいんじゃないの?…」

私「そんなもんか…?」

家「あの辺の高層マンションは、津波の時の堤防代わり
  って主旨で、国か都か知らないけど、補助金が出て、
  家賃も意外に安いらしいし、躯体も頑丈で…」

私「じゃあ、捜してみますか…」

結局、うちの子は「東京湾岸、港区生まれのシティギャル?」を、
未だに少々、鼻にかけているフシがあり、
間違っても、両親は、秋田と北九州の出身…
であることは、口が裂けても…まあ、そこは冗談だが…。

桟橋あたりを散策しつつ、夜汽車ならぬ深夜連絡船で、
伊豆七島や小笠原に向かう方々を見送りながら...

「この海の向こうは、もうアメリカなんだよな…
 いつか抜け出したいなあ...こんなシガラミだらけの
 ややっこしい国なんて…」

なんて、おセンチな気持ちに浸ったものだけど、
よくよく考えてみれば、ここは厳密には海ではなく、
隅田川の河口。その向こう岸は今でこそお台場だが、
当時はゴミの…夢の…。

その後は、一応、借りるより買う方が
コストが安いんじゃないか?
条件が良いんじゃないか?(未だに諸説あるが…?)
ということで、分譲マンション生活に移行すると、
簡単には引っ越しが出来なくなるけれど、
それでも3回くらい引っ越したかな…。
まあ、相変わらずちっとも落ち着かない
水辺のエグザイル(放浪者)なのである。



前回に引き続きの、THE KINKSとなった。

娘が小5の時点で、

「あたし、世界で一番この曲が好きかもしれない!」

生意気にも、そう云ってのけた…。

ちなみに、ビートルズで一番は「タックスマン」…!?。

今はどうなんだろうか?

ちょっとね、心の距離感が昔のように近くないのが、
目下の悩みだったりする…。

The Kinks - Waterloo Sunset


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4 Comments

バニーマン says..."堤防のはるか下"
海無し県民なので、海に憧れは無い(ふつうはあるって言うのかな・・・)のですが、市の中央に川が流れていて、ずっと堤防よりも低いところに住んでいます。

大雨警報の度に、浸水の心配をするのには慣れたけど、疲れました(^_^;)
浸水の心配がなければ、文句のないところなんですけどね。

>「あたし、世界で一番この曲が好きかもしれない!」

やっぱり娘さん、かなり趣味嗜好変わっている(笑)
いい意味ですよ、勿論!
2016.07.27 21:08 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."ウォータールーサンセット"
映像とマッチした音楽が良いなあと聴いていて、ちょっと待って、これってと、
頭の中で別の歌詞が浮かんできて、ニール・セダカの「雨に微笑を」でした。

そんな70年代の名曲に引用される(?)曲が、一番好きだといってみたり、
ビートルズではタックスマンというのが、何とも素晴らしい小学生でしたね。

ところでエグザイルと言えば、かつては太陽と戦慄だったのに、今は・・・。
2016.07.27 21:13 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."バニーマンさん 毎度です"
小学校の社会科で習ったはずの、「天井川」っていうのが、
うっすら脳裏をを掠めたんですけど、それですかね??

しょっちゅう増水する川ってのは、確かに雨の日が続くたびに
とっても憂鬱で疲れますね。護岸工事は、川の本来あるべき様相を
スッカリ変えてしまいますが、仕方ないんでしょうねえ。

結構この唄を、私は一時期、自室で弾き語って唸ってましたから….。
その影響は大きいかも…。「タックスマンが好き」
にも、びっくりしましたけどね。
2016.07.27 21:25 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん 毎度です"
似てますかね??
確かに「Sunny Afternoon」と「およげたい焼きくん」
あと「Village Green」 と「裏切りの街角」はよく似てますけどね!。

中学生の頃、バッタモンのカセットテープで、100ミニッツシリーズって
いうのがあって、それのキンクス版を数百円で購入したのが、
実は最初だったりしますが、初期の曲ばかり100分…
ほとんど聴き覚えのある名曲ばかりに驚いたものでした。

Exilesは、ずっと太陽と戦慄以外知りませんよ!なんてね!

2016.07.27 21:46 | URL | #- [edit]

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