ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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心の原風景

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Ernst Leitz GmbH Wetzler 'Summar' 5cm / 2(1937)

分かりにくいけれど、鉄橋の踏切…。
天気が良いと無意識にここにやってきて
写真を撮ることが多い。

まだ物心がつくかどうかの幼い頃、
私はこの近くに住んでいたらしい。

近所の工業高校の野球部員の溌剌とした声、
木製バットの鈍い音…何となく覚えている。

家の横に堰(用水路?)が通っていて、
メダカやドジョウが泳ぎ、
夏は蛍がたくさん光ってた。

カンカンと踏切の警報機の音、
蒸気機関車が煙を吐き、
鉄橋をガタゴト通り過ぎる音、
プーンと鼻を擦る蒸気と石炭の混じった臭い。

最近知ったのだが、そこは祖母の家だったらしい。

日清戦争開戦の年に生まれ、少しアルツハイマーが
始りかけた祖母が、かつてこの近くにあった
ヘルスセンターからの帰り道に、偶然、売家を見つけて、
「ここならヘルスセンターに通うのに便利…」と、
衝動的に買ってしまったらしい。

タイミング的に現在の本宅を建増ししていた時期に、
何故そんな余分な出費?とかいう前に、
取りあえず平和裡に一家でその屋敷に入居したものの、
1年と経たずに売り払ったそうだ。

もう50年以上も前の話だけれど、不思議とここらの
景色とか匂い、音は、殆ど変わっていない。

蒸気機関の「匂い」は勿論ないけれど、
川の流れや電車の行き交う音...
そして鉄橋を電車が通り過ぎた後の静寂、
風のざわめき、鳥の声…。

野球の音は、金属バットのせいで幾分甲高くなったけれど、
選手達の掛け声は、昔も今も変わらない。

東京の調布と三鷹のサカイメ辺りに「野川」という
川と土手があって、私は何故だかその景色がとても好きで
電車とバスを乗り継いで、そこに辿り着くと、
土手に腰掛け、煙草を燻らせながら、
「さて….どうしたもんじゃろうのう…」と
思索に耽りながら、ぼんやり佇む…
そんな大切な場所だった。

その時は気付かなかったが、三鷹の国際基督教大学近くの
「野川」は、まさに故郷のこの場所に似ていたのだ。

土手の梅の木の下のベンチに腰を下ろして、少し目を瞑る…。
もう一度目を開けたとき、辺りが50有余年前の景色に
変わってたら、どんなに素敵だろう!

そんな妄想も心地よい、秋の日の、
故郷の踏切と鉄橋のある土手の道…なのである。



ちょうど音楽を生業としていた時期、
周囲の音楽仲間は皆一様に、仕事に直結した
フュージョン(AOR含む)だとか、
まだ僅かながら息があったモダンジャズの話題ばかりで、
自分的にはウンザリ...。

英国発の刺激的なドラムサウンドやギターサウンドが
どんどん入ってきてるというのに、業界的にドラムサウンドは
すべてSteely DanのAjaにおける、スティーヴガッドのスネアの音ばかり…。
元々は驚いたサウンドではあったけれど、さすがにもうウンザリ…。

どうせなら、己のビジネスとは全く接点ないような音楽に
親しんだ方が、遥か楽しいに決まってるのに!!...
というような発想は、どうやら稀だったらしい。

現実に、一部のバンド仲間とは、仕事と一切関係ない
キングクリムゾンの即興性や、そのメカニズムとオルガスムス(?)
といったことを語り合ったり、XTCやエルヴィスコステロや
ストラングラーズの新作や、スティーヴリリーホワイトが発信する
ゲードエコーサウンドを何故日本のエンジニア達は真似しようとしないのか?
日本のエンジニアは耳が悪いんじゃないか?
…なんて話し合ってた仲間は…本当に数えるほどで、
もっぱら、TOTOがどうしたとかEW&Fだとかクインシーだの
何故わざわざビジネスに近い、感動の薄い音楽を聴きたがるのか?
と思っていた。

そう云うわけで?当時世界最高で、これが最先端なのだなあ!
って実感しながら、毎日、まさにステージの本番直前まで
どっぷり浸かって聴いていたのが、このピーターガブリエルの
アルバム(Gabriel III)。

今なら普通に聴ける音の粒も、当時はすべてが初めて耳にする
驚異のサウンドだったわけで、その驚きと快感は格別のものであった。

曲も演奏形態もプロダクションも、すべてが新しくて刺激的!。

そして自分を取り巻く現実と、こうした理想の音楽との乖離は
ますます激しくなって、なにげに悶え苦しむのだが、
まさか3年も待ってたら、日本も含めて、こういったサウンドが
業界の主力になろうとは…考えもしなかったな。

勿論その頃はもう次なる最先端音楽!に興味が移ってるのだけれど…。

Peter Gabriel - Games Without Frontiers


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4 Comments

ギターマジシャン says..."ゲートエコー"
ピーター・ガブリエルという人は、普通にすれば、すごいイケメンなのに、
ジェネシスでは、ひまわりやコウモリの格好をしたり、このアルバムでも、
ジャケットは顔が溶け出すし、このPVは、今で言う変顔だらけですよね。

LP冒頭のゲートエコー(リバーブ?)の衝撃は、すごかったようですが、
自分がその音に馴染むのは、数年後のニューミュージックのパクリで、
チューニングを上げたスネアかティンバレスを、ミュートして叩いたり、
シンセドラムの音だと思い、ぶった切るエコーだとは知らなかったです。

当時、フュージョン、AORにどっぷり浸かり、それもギターソロだけを、
編集したテープをウォークマンでという、素人ならではの聴き方でした。
2016.10.07 19:32 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん まいどです"
私の知りうる限りでは、日本ではP-Modelが一番先にこのゲートエコーを模倣してたですが
さすがP-Modelなのは、あるビルの吹き抜けの階段の途中にドラムセットを組んで、
階段の至る所にマイクを仕込み、その豊潤な残響を見事ぶった切るサウンド!。
確かアルバム「Perspective」これも驚きだったです。

後にU2とかBIG COUNTRYなんかの、天駆けるギターサウンド!でリリーホワイトは
有名になりますけどね、当人はあくまでもパンクロックのプロデューサーって自負が
あるそうです。

ガブリエルに元ジェネシスっていう称号は、全く意味をなさないと思います。
確実に世界の音楽シーンを頂点から引っ張り上げてた人ですから!

2016.10.07 20:08 | URL | #- [edit]
バニーマン says...""
こんばんは。

ガブリエルはSOからというか、SOしか知らないと言った方がいいです(^_^;)

スティーヴリリーホワイトというと、元ルースターズの下山淳がもろU2みたいな音に
した春夏秋冬を作っていましたね。
2016.10.07 21:21 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."バニーマンさん 毎度です"
Gabrielはこの「III」で、世界のトップというか、音楽界の天井を確立したと考えます。
どういうことかと云うと、あらゆるミュージシャンやクリエーターが、彼の行動を注視し
盗めるものは盗め!と必死に食らいつき、次々と模倣していったから….。
やがて「IV」では更なる深みを我々に見せて、その次の「V」すなわち「So」で、
彼のサウンドのひとつの帰着点というか完成形をみるわけで、そう云う意味合いで
III とIVを強くお勧めしますよ。何しろ全てが新しくて、未来を見せてもらってる感じ。
たぶんこの感覚は、どんな未来に行き着いても同じヴィジョンなんじゃないかな…。
2016.10.07 21:41 | URL | #- [edit]

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