風のハーモニー
Ernst Leitz Wetzler 'Summar' 5cm / 2(1937)
ユーフォニアム…なのだろうか?
咄嗟に、普段は使ったこともないこの名詞が
脳裏をよぎったのだけれど、
真相はこの際どうでも良いような…?
とっても朗々としているものの、
静かで穏やかな音だから、他のトランペットや
サキソフフォンとの合奏には、これ自体の音が
かき消されてしまいそうなほど心もとないけれど、
心の奥深くにひっそりと仕舞い込んでいた何かが、
思い掛けずにノッソリと姿を現すような、
どこか危険で、怪しい佇まいもあり、
その表情豊かでたおやかな音に、しばし身震いした午後であった。
故郷に帰ってきてから、意外と頻繁にビッグバンドとか
管楽器隊の演奏を聴く機会が増えたように思う。
実は昔はその暑苦しい音が、どちらかと云うと苦手だった…。
もちろんビッグバンドに自分が加わって、
エレキギターだけど演奏したことも少なからずあるけれど、
今にして思えば、ちゃんとその音を愉しんでなかったように思う。
独特の、分厚くて痺れるようなハーモニーを愉しむどころか、
くそう、あのボントロのオヤジ、また音外しやがったな!とか、
アルトの音程が相当高めで聴きづらいのに、誰も注意しないのは何故!?。
そんな感じで、粗ばかりが気になって、音を愉しむなんて、
それどころじゃなかったからいつも不機嫌なまま、
逃げるように撤収してばかりだから、
フルバンド、ブラスバンドは苦手…!と思い込んでいた。
その後、音楽を純粋に聴いて愉しむ立場となっても
ビッグバンドジャズは、どうにも苦手だったように思う。
今は年をとったせいなのかどうか分からないけれど、
多少の音程差も、ジャストチューニングより多少幅があった方が、
倍音構成上豊かなハーモニーを愉しめるじゃあないかあ!
音程が外れたり、キメが散ける重大なトラブルも、
ちょっとしたアトラクション、曲のアクセントに過ぎないぜ!
そう思えるようになると、とってもブラス音楽を愛おしく
思えるようになって、今では大好きなジャンルとなっている。
ユーフォニアム…かどうか、さだかじゃないけど、
まさにホーン楽器全体をさす言葉「WINDS」とは良く云ったもので、
まさに風の音楽だなあと、深い感銘を受けるのだった。
まあ、近頃は「風」といえば、答えは風の中…で、
そこいらのお笑い芸人さんにまで語られてしまうようになった
ボブディランであるけれど、彼について、何か書こうとも思ったけれど、
既にそうした形で、話題が巻き散らかされてる感もあるし、
曲もいろいろ紹介されているから、今更自分ごときが何を?…
という感じで、知ったかぶりがどうも恥ずかしい感じになってきた。
まあそんな中、あれからひたすら、彼のザ・ブートレグシリーズが、
全貌は知らないけれど、取りあえず家にVOL.12までは全部揃っていて、
しかもそのV.12がCD18枚組ときてる関係で、殆ど聴いてないことに気付いて、
何となく体調も芳しくないところで、ボチボチと聴き始めている。
まあ結局はRolling Thunder Revueモノが自分のお気に入りらしく
Vol.5ばかり何度も聴いてたりして、ちょっと偏りがあるな….
でもまあ、ディラン自体が、時代によって左にぶれたり右にぶれたり
宗教もいろいろ改宗続きで、思想も発言もぶれてたりするから、
ディランの場合は、そんな聴き方が却って正解のような気もする。
そう云うわけで、いきなりディランではなくて、
大好きなTHE BYRDS!。
もちろん曲は彼らの出世作のディランソングを…
ロジャーマッギン、カッコいい!!。
The Byrds - Mr.Tambourine Man