ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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恨みが変節する時

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Leitz ELMAR 5cm/F3.5 (1939)

当面故郷に戻り、療養に専念することになったとき
私はすぐに自転車を購入した。

表向きは「リハビリの為!」なんて言ってたけれど、
実際には、35年ぶりの故郷をつぶさに観ておきたかったから…
それがこんなに長いこと居続けるとは、
その時は思ってもみなかったしね…。

最初から随分無理をして、いうなれば郊外の(?)
街の北の、山のほうにも足を伸ばしてみたのだが、
その理由は...

何処まで行っても、違和感が消えないから…。

当然と云えば当然だが、いつまでもそこここに
茅葺きや瓦屋根の風流な屋敷などあろうはずが無く、
すべてモダン建築の「面白味の無い家」に建て変わってしまっていて
自分の中の勝手な心象風景、イメージがすっかり異なっていたのだ。

仕方が無いナ…誰のせいでもないし…。

確か…中学生の頃、この辺りに仲の良い友人の家があったな…
ふとそう感じたけれど、景色はあまりにも昔と違っていて
彼の家の位置さえ特定できない。

大昔、たまたまバスに乗ってその友人の家に遊びに来た。
友人の家は農家で、広い土間のある古い家、ニワトリや
牛なんかも飼っている...。生活スタイルが自分の家とは
あまりに違っていて、見るもの聴くものが珍しく驚きだった。

周辺を友人と散歩していると、山の斜面に狭い棚田があって、
そこでどこか見覚えのある麦わら帽子の男が、
泥の中で馬をひき、田を耕していた。

中学のサッカー部に入部して、生まれ初めて
先輩後輩/絶対服従っていう「縦社会」というのを経験する。

それはあまりにも辛くて厳しい経験で、
理不尽な「しごき」を仕掛けてくる上級生に,
これも生まれて初めて「殺意」さえ芽生えるほどの
厳しい経験となった。

まさにその主犯たる憎い男、たった一つ年が上なだけで
挨拶が悪い、眼を飛ばしただろう...などと言いがかりをつけられ
殴られ、蹴られ、サッカーボールをぶつけられる理不尽さ。

その理不尽の張本人が、今、目の前で
泥の中を這いつくばって、田んぼを耕していたのだ。

彼と目が合った…。
ここで大声で挨拶をしておかないと、後で何をされるか分からないから、
私は大声で「ういいっす!」と挨拶をした。
鳥の声しかしない静かな山の中で、自分の声が思いのほか
大きく響いたのに少々驚く私...。
彼は軽く麦わら帽のツバを摘まみ、そのまま視線を切って何も云わず、
泥の中でまた馬を引き続けた。

私の中の彼に対するモヤモヤした感情は、すっかり消えていた。

自分なんて、ただノホホンと学校に行って、サッカーやって、
塾に行って,レコード聴いて…親の言いつけなんて全然きかないし…
そんな自分がちょっと恥ずかしくなった。

彼を許そう…自分より大変な生活を…そして人生を
彼は背負っているのだ…。

その後も、彼の私ら1年坊に対するアタリは…ちっとも変わらず、
相変わらずの理不尽さで、水を呑むなと云ったのに、
オマイラ飲んだだろ!罰としてグランド20周!..
.声が小さいと云っては、背中をスパイクの裏で飛び蹴りされる等々…
全く変わらなかったが、すでに私は大して腹も立たくなっていた。

彼もイロイロ精神的に溜まったものもあるんだろう…。
我々に強くあたることで、それが少しでも軽減されるなら…。
本当にそんな風に思っていた。

今、その棚田辺りと思われるところには、びっしりと
モダンな家が建っていて、昔の長閑な面影など全くない。

あの先輩は、たぶん農家を継いで、一生あの棚田で馬をひく、
ちょっと気の毒なヒトなのだろうな…
と、勝手に思い込んでいた私だったが、風の噂では今は
豪邸に住み、地元サッカー協会の重鎮で実力者とのこと…。

今、同窓会で、同じ部活だった友と話をすると、
未だにあの先輩が赦せない!時々腹が立って夢見が悪い!
という話も聴くけれど…取りあえず、自分らは

同じことを後輩にはするまい!

皆でそう誓い合ったのだから、その反面教師として
もう彼を許そうではないか!

人生悲喜交々、町並みは変わっても
ヒトの営み、記憶、心情は、なかなか変わらないものだね。



それがいつ頃のことか良く覚えてないけれど、面白い話を聞いた。

グレートフルデッドというバンドのツアーは、
アメリカの現役引退者や、ベテランのエグゼプティヴ達が、
長期の夏休みをとり、全米各地の山奥のキャンプ地みたいなところを
コンサートツアーして回るのを追いかけて愉しむ…

山奥のキャンプ地だから、まあ紫色の煙くらい…。

今で云うサマソニ元祖のオヤジ版!みたいな,そんなデッドヘッズって
いう楽しみ方と云うか、大人社会のライフスタイルにとっても共感した。

自分はまだ若かったけれど、このまんま仕事、頑張っていれば、
たぶん50才くらいにもなったら、生活も、社内外の立場も
うんと余裕ができて、夏休みくらい、いくらでもどうぞ的な立場で、
悠々デッドヘッズの一員として、アシッドテスト参加…

その為には、まずグレートフルデッドの音楽に入り込まないといけない。
彼らの音楽のウネリに身を任せて酩酊しないと…なんて思うんだが、
これが東京という、タイトな時間的制約に支配された中で
生きている立場では、意外と困難。

結局彼らのアルバムのほとんどを買い集めても、
果たしてそんなに彼らの音楽に熱狂して聴けたか?と云うと、
いささか疑問が残る…大好きではあるけれどね…。

そして、50才になり、とっくに過ぎても、結局
「余裕の生活」、「エグゼクティヴを謳歌」という立場には
遂になれなかった。

イロイロ社会に不満はあるけれど、悪いのは結局自分自身である…

95年に重鎮のジェリーガルシアは亡くなってしまうけれど、
バンドは様々形態を変えつつ、今でもデッドヘッズ達を引き連れて
サマーキャンプを引き継いでいる。

ちなみに後に知ることだが、デッドヘッズには…

ビルクリントン、アールゴア夫妻、スティーヴジョブス、ナンシーベロン、
キースへリング、ウーピーゴールドバーグ、ウイリアムギブソン、
ジョセフキャンベル等々、あとNASAの宇宙飛行士達など、錚々たる面々が並ぶ。

曲自体は高校生の頃、ギターの音色に激しく衝撃を受けて、
学校内バンド(!)で演奏してみたけれど、あまり上手くいかず
途中断念したように記憶している。

Grateful Dead - The Music Never Stopped


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2 Comments

ギターマジシャン says..."グレイトフルデッド"
ちゃんと音から入るpipco1980さんと違って、自分は雑誌や本からで、
75年に出たヤマハの「ロックギタリスト」は、50人のインタビュー集で、
この本や雑誌のロックギター名盤リストから、いろいろ見つけてました。

ジェリーガルシアは、「ロックギタリスト」で、写真はマルクスみたいで、
語る内容も、どことなく哲学的な印象、まして曲が長いとあったので、
敬遠していたところ、後にFMでライブを聴いたら、確かに曲は長いが、
ギターのアドリブも良い感じで延々と続き、耳からだなあと反省しました。

ただ、グレイトフルデッドは、カントリー系のロックという印象でしたが、
以前も紹介されていたこのアルバムの曲は、けっこうファンキーで、
意外でしたし、すぐ比較したくなる自分は、デッキー・ベッツ主導の、
オールマンの曲が、ジャズに近い雰囲気だったと似たように感じます。
2016.11.23 08:39 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん まいどです"
いやいや、雑誌や本でもきちんと情報を取捨されてるギターマジシャンさんのほうが
本当は大したもので、私などデッドはちょこちょこ中学時代から聞きかじってはいたものの
全然理解できず、それが高校生のときに、石川県小松の「めんたんぴん」ってバンドの
「♫メキシコの山じゃ誰もがハイになる〜」って歌をエラく気に入って、
それがグレートフルデッド調だって云うんで,慌てて最新作(それがブルースフォーアラー)
を聴いてみたら、「最高だぜ、デッド!」なんてね…、
やっぱり自分はいい加減なヤツですよ(笑)!
2016.11.23 11:49 | URL | #- [edit]

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