ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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幻の森

DSC09505あ
Leitz ELMAR 5cm/F3.5 (1939)

「幽霊とか、観た事あるんですか?」
などと訊かれる事はよくあるけれど、いわゆる

「ひゅーどろどろどろ~...うーらーめーしーやーー」

なんて、そんな実にゴシック然としたベタな奴(?)は
もちろん観たコトなんかない。

金縛りもないし、鬼火(ヒトダマ?)なんかもナシ。

しかし、何度か、自分が変な体験に遭ったのは
いつも、昼夜に関わりなく、普通に呑み屋のマスターとか、
自分の背後にいつの間にか居たお客さん達、
あるいは墓地に集まる謎の集団、等々…
普通に生活者然として登場し、結果的に、
理由が分からない不可思議な状況になって
しまうというようなことばかりで、
もしかしたら、全く気付かぬまま、特殊な次元の方々と
緊密に接していた事も、実は多いのかもしれないなあ…
と思ったりもする。

私が22か23歳くらいの頃の話だ。

その時は、ちょっとまとまった収入があったのだろうと思うが、
今の家人と、六本木の防衛庁正面(当時)にあった、
まだハリウッドセレブ達に占拠される以前の、
某有名な炉端焼き屋で食事した(またしても六本木…)。

食後、そのまま青山墓地方向の森というか、
林の方向に歩き出す。

まさか六本木から少し外れただけで、こんなに深い鬱蒼とした
森があるのか?と、驚きながら、どんどん奥へ入って行くと
暗闇の中に忽然と、瀟洒な洋館が現れた。

1階はレストランらしく、数人のゲストが窓の外から見えた。
2階がバーラウンジという表示があって、そこに入る事にした。

映画のロケに使えそうな、典型的な豪邸のエントランスホールに掛かった
頑丈そうな木のカーブ階段を登り、バーのドアを開けると、
すぐに左ひじを直角に折り曲げた黒服の老紳士が立っていた。

まるで浦沢直樹が描く漫画に出てくるような、
いかにも執事というか、「爺や」という感じの細面の
品の良い老紳士に導かれ、席に着く。

そこで何をオーダーし、どんな会話をしたのか、
さっぱり覚えていないが、とにかく、やたらと愉しかったという
記憶だけは鮮明に残っている。

不思議なのは、家人もそれは全く同じ感じ…。

大して酔っぱらってたわけでもないのだが、
どうやって帰ったかも、まるで覚えていない。
もちろん家人も同様。

それなのに、途轍もなく愉しかったような高揚感だけが
不思議に残っているのだ。

1週間くらいして、また一緒に「六本木の森」に行ってみた。
いや、正確に言うと、行きかけただけ….。

小さな児童公園や豪邸の広いお庭的な林(植垣?)…
は、いくつもあるのだが、いくら捜しても森なんてないのだ。

すぐに青山墓地の崖というか、急斜面に、
行く手を阻まれてしまうのだ…。

我々の間では以来「幻の森の幻のバー」という感じで、
単純にお互いが方向音痴のダメ人間だから「見つけられなかった…」
もしくは「炉端焼店で妙なキノコでも食べたか?」ということで、
何となく無事な着地点に、落とし込んだ話ではあるけれど、
それから何年かして、家人は青山墓地の曾祖父(ひいひい爺ちゃん)の
墓所を知り、詣って(鳥居が設えてあった…)みたら、
背丈ほどの高さの草がボーボーの無秩序状態。

明らかに何十年も誰も詣ってないような、悲惨な状態で、
周囲にも、様々な明治の元勲の墓所があるわけだが、
地団駄踏むほど、不名誉に違いないだろう…。

そればかりでなく、ゴミ屋敷ではないものの、
周囲にご迷惑をお掛けしてるような状態に、
我々は止むに止まれず、GWを利用しつつ「草刈り」を
決行するわけで、もしかするとあの時、我々を「ひいひい爺ちゃん」は
手招きし、呼んでたんじゃないだろうか…?
あれ、そういえば…

「あのときの執事の老紳士…???」

とはいえ、善かれと思ったのに、イロイロバチ被るんだがね…。
家人にいわせれば、私はホントは病気で苦しんで死んでたのを、
ありがたくも、生かしていただいた…という事になるらしい。
まあ…いいや。



70年代の終わり頃から、「ギタリストでは誰が好き?」
っていう実に普遍的、且つ超難問なクエスチョンには、
「リチャード・トンプソン」と答える事にしている。

しかし大抵の場合「誰?....」って聞き直されるけれど、
「知らないなら、それ以上答えようがないから、もうこの話題ヤメ!…」
ということで、何となく煙にまいてしまうと云うわけだ。

好きなギター弾きは、当然たくさん居るけれど、
よほどのロックファンやジャズファンじゃないと、
理解し得ない名前が多いから、説明も面倒臭いのだ。

たぶんトンプソンのギタープレー、自分は永遠に追いつかないし、
もしかしたら最も遠い地平に存在する、真の憧れかもしれない…
ある日突然そう思ったからだ。

考えてみれば、高校生の時に、大学生が中心のレコードシェア
グループに居て、何の前触れもなく手元に回ってきた
「Fairport Convention」の3枚のアルバム…

・What We Did on Our Holidays
・Unhalfbricking
・Liege & Lief

これが運命の出逢い…
そして今も自分のレコード棚の特別なVIP達。

グループの事をもっと深く知りたいのだが、
70年代当時はまだブリティッシュ・トラッド・シーンに精通した
論者も皆無で(赤岩和美さんくらい?)ロクな資料も存在せず、
なかなか一朝一夕にはその全貌が分からない。

分からないまま、断片的に他の彼らの作品を聴くのだが、
メンバーの入れ替えが夥しくて、いまいち方向性を掴み切れなくなって、
全貌がますます見えなくなってしまう。

そんなわけでFairport Conventionと云うバンドは、
自分には、とてもミステリアスで、神秘的でもあるグループとなるのだが、
とても早計に括ってしまえば、バンドは今も存続しているけれど、
1968-9年の1年弱の…とても短い間に、英国トラッド界というか
フォークロック分野の、その後、2枚看板となる
リチャード・トンプソン(g)とサンディ・デニー(v.故人)が、
奇跡的に同じバンドに居て、まさに奇跡的なスタジオアルバム3枚を
世に残した…残してくれた!...ということ。

そうしたわけで、今宵はジョニミッチェル・トリビュート・ライヴから
トンプソンの魅力が溢れ出る演奏のWoodstockと、
フェアポートの初期の代表曲であり、またリチャードトンプソン作の名曲で、
個人的にはサンディの歌声に惚れまくって、借り物の傷だらけのレコードを
何十回も泣きながら繰り返し聴いてたのに、一向に近づけない高校生の
やるせない感じ…?
そんな神秘なグループの不思議な曲…Meet On The Ledge…

Richard Thompson - Woodstock (2001)


Fairport Convention - Meet on the Ledge (1968)


追加(2/1)
ジョンウェットンがなくなった。67歳…。
Asia時代のポップソングが盛大にラジオで流されているけれど、
やっぱり彼の絶頂期はここらに違いない…

いつにも増してのロバートフリップの過剰な煽りに、
ウェットンもブラッフォードも異様なテンションで応えている。
こうしたライヴの醍醐味がこの時期のクリムゾンの真骨頂だった!

安らかに…。

King Crimson - Easy Money (Providence, 6/30 1974)
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10 Comments

バニーマン says...""
こんばんは。

リチャード・トンプソンもサンディ・デニーもFairport Conventionも
もちろん知ってはいますが、ホントに知っているだけと言う状態で・・・。

サンディ・デニーに関していうと、ゼップの限りなき戦いはよく聴きましたが、
肝心の彼女のソロ活動とかは全く???です。

Fairport Conventionも何曲かは聴いたことがありますが、知らないも一緒ですね。

Fairport Conventionは一枚くらいは何かCD買いたいな~なんて思ってはいますが。
2017.01.31 21:57 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."バニーマンさん まいどです"
ベスト盤という手もあるのでしょうが、このバンドの場合、
メンバー交代は激しい為に、却って焦点がぼやけてしまいます。
やはりサンディ在籍時の上記3枚+その後トンプソンが脱退するまでの
Full House とライヴ盤のHouse Full….も素晴らしい内容でおすすめです。
あと、キングクリムゾンの初期メンバー(?)のジュディダイブル在籍の
デビューアルバムも味わい深いアルバムです。
早い話が初期の6枚すべてってことになりますね(笑)。

一般的には4作目のLiege & Liefが、歴史的名盤である!...とされてるようです。

2017.01.31 22:26 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."リチャードトンプソン"
2000年前後、アコギのソロギター演奏に凝って、イシバシ楽器にあった、
輸入CDとコピー譜を集めたり、当時創刊したアコギマガジンを買っていて、
ライ・クーダーが表紙の号に、トンプソンの特集記事が載っていました。

来日時のインタビューと本人によるギター講座で、変則チューニングや、
アイリッシュ・トラッド・スタイルの解説で、単なる弾き語りの人ではなく、
しかも往年のフェアポートコンベンションのメンバー、さらにエレキもやり、
リードギターもガンガン弾くと知り、何てすごいんだろうと思ったものです。

ジュディ・ダイブルは、ジャイルズ・ジャイルズ・フリップやクリムゾンの、
メンバーだったのか、ゲストなのか、どちらにしても、ジュディが歌った、
「風に語りて」が、「新世代への啓示」に収録されたのも不思議です。
2017.01.31 23:35 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンサン まいどです"
まあ簡単にいえば、マークノップラーに真似されまくって、
美味しいところをとられてますかねえ…。
自分的には本来の実力以上に、神秘的な存在ですらあります。

Ferrington-casterっていう、彼愛用のストラト擬きがあって、
友人がそれを英国で注文し、その後私が譲り受けたんですが、
気分はすっかりトンプソン、なかなか良いギターだったんですが、
どうしても譲って欲しいって奴が現れて、譲ったんですが、結構
後悔したりして….。

ジュディダイブルは、イアンマクドナルドのカノジョだった時に、
彼が参加する事になった、GG&FかKing Crimsonか、微妙な時期に
「風に語りて」の録音に遊びにきていて、あくまでもテストで吹き込むわけですね。
もしもマクドナルドやその子分のグレッグがクリムゾンではなく
フェアポートの参加していたら、随分と景色は変わっていたかもしれません。
2017.02.01 01:41 | URL | #- [edit]
あとりえ瑠璃絵 says...""
二十二、三で六本木のラウンジですか
羨ましいえすね
理屈、理論、数式では説明出来ない
強烈な出来事(思い出)は12歳と17歳に
体験しました。小さな出来事は数え切れません
生きるって不思議ですね

イヤー今時のカメラは実に厄介です
2017.02.01 17:24 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."瑠璃絵さん まいどです"
まあ楽隊屋と云っても、基本的に水商売ですから、
相対的には貧乏なんですけども、まれにそういう時もあります。

カメラ…どうかされましたか??
瑠ー師匠がやっておられる「芸術」に比べれば、たわいないもののはず..
がんばってください。
2017.02.01 18:34 | URL | #- [edit]
ギターマジシャン says..."ジョン・ウェットン"
このpipco1980さんの追加記事で、初めて知り、いまネットで、
あれこれ見てきましたが、いまだに信じられない状態です。

グレッグレイクが69歳、ウェットンが67歳と、まだまだ若いですし、
イエス、ELP、クリムゾンと黄金期メンバーが次々と亡くなって、
いくら自分が歳をとったからって、この数年は、異常な気がします。

ブライアン・フェリーの来日にベースとして同行した際の記事を読み、
ロキシー、ユーライアヒープ、さらにクリムゾンにいた人なんだと知り、
すぐにUKがデビューし、エイジアと、76年からがリアルタイムでした。

エイジアやソロのライブでやる、クリムゾンやUKの曲に感動しつつ、
どれもオリジナルメンバーでやってほしいなと願いつつ、その逆に、
グレッグレイクの「宮殿」などを、ハケットと来日して歌っていたり。

ウェットンのいた2期(3期?)クリムゾンと、グレッグの1期が好きで、
グレイトデシーバー、エピタフ、ナイトウォッチのライブは買いました。

すみません、いくらでも書いてしまうので、このへんで。

2017.02.01 20:49 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん まいどです"
本日一日、RED Box set(21CD)をずっと聴いてます。

クリムゾンの初期の4枚(+1ライヴ)は全く別のバンドと云うか、
まさしくフェアポートの発展系みたいに思ってますから(Lizardsが一番好きです)
個人的にはウェットンを含むLarks-Crimsonこそ、本来のクリムゾンって思ってます。

特にライヴでは即興演奏の中から、新曲の片鱗やプロトタイプが散見されるので
興味は尽きず、結局Larks Box(13CD)、Starless Box(23CD)、そしてRed Box(21CD)
まあとんでもない散財顧みず、当時のライヴをすべて追体験したくなるわけです。

本日取り上げたEASY MONEYも、当時のクリムゾン最終日の一日前の演奏ですけど
どこかぶっ飛んでいて¥、好きな「公演日」ですね。

私もキリがなくなるので、今宵はこの辺で、
2017.02.01 21:11 | URL | #- [edit]
oyajisann says..."ちなみに"
英国のプログレ誌が選んだジョンウェットンのベストソング
FAMILY - SAT'D'Y BARFLY
KING CRIMSON - LARKS' TONGUES IN ASPIC PART ONE
BRIAN ENO - THE PAW PAW NEGRO BLOWTORCH
KING CRIMSON - STARLESS
UK - IN THE DEAD OF NIGHT
UK - DANGER MONEY
JOHN WETTON - TURN ON THE RADIO
ASIA - HEAT OF THE MOMENT
ASIA- GO
JOHN WETTON - BATTLE LINES
プログレ誌だけあってユーライアヒープがないですね。
彼のアンソロジー発売期待してます。合掌
2017.02.01 23:57 | URL | #eTRrWisM [edit]
pipco1980 says..."Re: oyajisannさん まいどです"
英国の専門誌のわりには、相当あまいですかね。
巧いことバランス良くキャリアを並べただけって安易さが気になります。
プログレ熱は昔っから、日本やドイツ、イタリアのほうが、
遥かにレベルが高いというのが、これまた世界的評価でした…。

彼のアンソロジーはクリムゾンとUKで充分じゃないかなあ
って思いますけど、ちょっと意固地すぎますかね??

2017.02.02 01:28 | URL | #- [edit]

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