ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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インギン無礼なスーパースター

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Leitz - Summar 5cm/2 (1937)

高校生くらいの頃は、生意気にもイッチョマエに
「サリンジャーはもう読んだかい?」とか
「カミュは?バロウズは?ミシマは?」
「えっ、イツキヒロユキ?なんだそれ??」

なんてね…大して理解もしてないくせに、
精一杯の虚勢で「あとがき解説」を頼りに、
駅前商店街の喫茶店で、熱く語り合ってたりしたものだが、
自分は本当のところ、その頃は、安部公房の世界観にハマり、
どっぷり浸かっていたりする。

ただ初めて触れた彼の作品が、国語の教科書に収蔵された
「魔法のチョーク」だったから、すぐに同作が含まれる
短編集「壁」を購入し、S.カルマ氏に大興奮しつつ、
読み耽るのだが、いかんせん出典が「現国の教科書」…

だから恥ずかしくてヒトにはいえず、
本屋で周囲をきょろきょろと見回し、
知り合いに見つからないことを充分に確認しながら、
こっそりひっそり彼の文庫本を買い漁るのだった。

数年して、私は上京し、煙草を吸おうが、酒を飲もうが、
誰にも咎められない、自由な「学生」という立場を謳歌し、
嬉々としてライヴハウスを廻り、達郎さんを含む
ティンパン周辺の方々や、諸々ジャズ屋さんなんかを、
集中的に追いかけてみたり、ぴあを片手に名画座や
小劇場を巡ったりしていたのだが、もちろん渋谷の
「安部公房スタジオ」も何度か訪問した。

彼の戯曲は、さらに難解で、自分勝手には
容易にその世界観を構築できないから、
実はあまり得意ではなく、そのせいで頻繁に通うと
いうほどではなかったけれど、それでも何故か
いつも切符売り場にいて、さらに入場の際に
その切符を笑顔で愛想良くモギってくれるのが、
あの山口果林さんで、それだけで結構ドキドキしてた…

もちろん安部公房ご当人も、何度かお見掛けしたけれど、
まだ未成年の、とても幼い視線からは、単純に
居丈高で慇懃無礼なオヤジに見えて、
少々がっかりもしたように思う。

結局彼は68歳でなくなるが、あと2~3年も長生きできていたなら、
確実にノーベル文学賞を受賞していた!...
というようなことを知った頃は、自分はもうゲスなオヤジたる
中年期に差し掛かろうとしていた。

もう一度、キチンと読み直してみようかな…。



アラン・ホールズワースが亡くなったらしい…。

およそ人間離れした彼のギタープレーに、初めて驚愕したのは、
高校生の頃聴いた、ソフトマシーンの「収束(Bundles)」って新作アルバム。

「えっ?ソフツって未だ存続してのかよ??」

「すっげえギタリストが入ったらしいよ!」

「へえ〜…そうなんだ…?」

そんな素っ頓狂な会話があったのか無かったのか、
正直。良く覚えてないけれど、いずれにせよ、
まさに驚愕のギタープレー!

何でも感動したものは吸収せずにはおれない、
生まれついての習性から、彼を勝手に師と仰ぎつつ、
ただひたすら物真似に興じる阿呆な高校生であった。

やがてソフツとは兄弟バンドみたいなGONGっていうのに
彼は加入すると、そのプレーは益々研ぎすまされ、
剛球一直線から、軟体動物のようなしなやかさを
兼ね備えた独特さで、危険度が増すのだった(?)

GONGで彼が参加した2枚のアルバム
「ガズース」と「エスプレッソll」は、未だ私の心のバイブルでもある…。

やがてプログレ好きの友人と、いつも銀座アマンドあたりで
深夜まで語り合うのは、キングクリムゾンが最後の最期、
一瞬だけ、キラリと、もの凄い閃光を放った瞬間。

つまり、ウェットン+ブラッフォード+エディジョブソン…
そこにもしもGONGのホールズワースが加わったら...、
そりゃあもう、驚天動地な、もの凄い化学変化が
起きるんじゃないのか??

そんな妄想話だけで、馬鹿みたいに興奮し盛り上がってた
おめでたい青春時代でもあるのだ…。

ところが、すぐにそれは現実のものとなった…。
それがU.K…。

さすがにスタープレーヤーの集合体だけに、
各自のポテンシャルは、やや抑えめに思えたのだが、
我々にはもう充分に、凄まじすぎる破壊力の作品だった。

アラン・ホールズワース…彼ほど上手いプレーヤーは
たぶん他に居ないけど、上手いだけじゃあ…
.ダメなんだなってことも、故人にはとても失礼な話だが、
分かってしまった。ある意味反面教師でもある彼…。

ご冥福を祈りたい。

U.K. - In The Dead Of Night


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6 Comments

ギターマジシャン says..."アランホールズワース"
アランが4月に亡くなっていたとは、まったく知りませんでした。

これまで、pipco1980さんのブログで、多くの方の訃報を知りましたが、ちょっと今回のショックは半端じゃありません。

収束のギターソロは、新加入とは思えないくらいフィーチャーされ、ラジオでかかったとき、慌てて途中から録音して、レコードをディスクユニオンとかで探しましたし、数年前に、当時のライブ盤が出たときは狂喜しました。

ゴングは一時入手困難だったのが、ホールズワースブームでLPが再発され、やはりソロが多く感動、ソフトマシーンもゴングも、デビッド・アレンつながりのようでいて、在籍時は交錯していないのですよね。

アランが脱退してトリオ編成でUKが来日したとき、UKファンの友人に、ギターがいないんじゃと言うと、エディジョブソンがいるから、もともとアランも不要だったと言われ、ムッとした覚えがあります。

エディがインタビューで、「アランに影響を与えたと思いますか?」と尋ねられ、「彼は独自の世界の音楽だから、僕に影響されることはないだろうが、レコードのソロを僕がかなり編集したから、わかりやすいアドリブソロの必要性をわかったかもしれない」みたいに語っていて、これは妙に納得しました。


すみません、トニー・ウィリアムス、ゴードンベック、初来日と、まとまりなく、どんどん思いつき、支離滅裂で、きりがないので、やめておきます。

ところで、「インギン無礼な~」のタイトルからは、イングヴェイのほうを想像していました。
2017.05.13 13:40 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん 毎度です"
UKの初来日公演が決まって、チケットも購入済の段階で、突然、
二人の脱退と、ボッジオの参加、トリオ編成での2ndアルバムの緊急発売と、
トリオでの来日がアナウンスされるわけで、「ありゃりゃあ!」と焦るわけですが
2ndアルバムを聴いて、その完成度の高さに安堵し、コンサートも充分に楽しめた!
というわけです。たぶん、バンドとしては、セカンド以降の方が、
遥かに充実してたように思います!

残念ながらUK以後と云うか、Bruford Band以降の彼のプレーにはあまり
精彩を感じず、ちょっとワンパターンに陥ってた感じで、
そういった意味でも、やはり作曲能力と云うか、セルフプロデュース能力が、
ミュージシャンには絶対必要….上手いだけではダメなんだなあ….と、
強く感じるわけです。




2017.05.13 14:41 | URL | #- [edit]
バニーマン says...""
>上手いだけじゃあ….ダメなんだなってことも、

そうなんですよね・・・
上手いに越したことはないのですが。
そこが音楽(に限らず芸術と言っていいのでしょうか)の面白いところですね。
2017.05.14 21:44 | URL | #- [edit]
あとりえ瑠璃絵 says...""
こんばんは
前記事ですが ノンビリ・・・誰もいないベンチ
タイトルが先か撮影が先か分かりませんが
突いてますね。
さらにキモイ木が良い・・・ですね

私もミシマは読破しました
記憶にあるのはシオサイだけですが 笑
2017.05.14 21:46 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."バニーマンさん まいどです"
そうなんですね…。
全然レヴェルが違う話で恐縮ですけど、自分がバンドマンやってる時に
私を雇用する側のヒトがいうには…

「ただ巧いだけのギター弾きなんて、そこら中にたくさん居るんだよ…
何故オマエさんが選ばれて、この現場に呼ばれたかを考えてプレーして欲しい」

実は未だに答えは分かりませんけど…(笑)、いろいろ理想とか思惑って
あるんだろうなあ….でもなんで自分なんだろう??

全然、返答になってませんね、失礼しました。
2017.05.14 23:26 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."あとりえ瑠璃絵さん まいどです"
何だか辛気くさい場所だなあ….って思っただけの写真なんですけどね、
それがどうも、自虐的な方向で結びついてしまったって感じですかね…。

自分は、高校生の頃に「仮面の告白」でミシマに入ったんですけど、
そもそも「男色」的な意味が全く理解できない頃だったので、
何を言いたいんだこの男は!って、イラつきながら読んでた記憶しか無かったです。
2017.05.14 23:31 | URL | #- [edit]

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