ボチボチと生きてくよ!秋田篇

35年振りに故郷に戻り生活することになった、気がつけば中高年の泣き笑いなど。
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超低空飛行時代

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Carl Zeiss Jena SONNAR (改L) 5cm/1.5 (1941)

20年には届かなかったが、それもそろそろ近いなあ…
という勤務期間を経た時期に、勤め先が経営破綻した。

理由は様々あるが、たぶん自分が知る中の
85%くらいは、金融投資の失敗にある。

バブルもとっくに終ってしまった頃、会社は最高益を挙げ
遅ればせのピークを迎えていた。

私のあだ名はあくまで「ブチョウ」だったが、実際には
「常務取締役」という立場になっていた。

そんなある時…その辺が中小零細企業の名残りだが、
役員会議等の承認を経ることなく、突然代表取締役の独断で、
メインバンクから出向者を迎え、当社の「経理部長」に就任した。

私より2つ年上のその男は、業界2位の都市銀行でも有能な
「IR部門の専門家」という触れ込みだったが、
当社のような社員数50人にも満たない、零細に近い
中小企業に出向してきたなんて、相当悲惨な「ポカ」を
やらかしたんだろうなあ?という噂が、当然立つのだが、
結局誰にもその辺の事情はは分かずじまいだった。

彼がすぐに手を出したは「デリバティブ」。
しかも「外国為替証拠金取引」、いわゆる「FX」と云う、
最もリスキーなヤツ。

安全運転第一の私は、当然「猛反対」している。

そしてその時に初めてその男と言い争うと云うか、
まともに会話するような感じだったのだが、
彼が私に言い放ったのは…

「アンタのような、リスクをとれないようなヤツに
 会社経営を任せるわけにはいかんのだ。
 会社は現在最高益を出してるのに、社員達の給料もボーナスも
 アップしてやれないのは、アンタらがリスクを一切とろうとしない
 無能者達だからだ!」

その時に、その男とトコトン話し合えば良かったのかも知れない…

しかしそれは後の祭り…自分の中に「その通りかもしれない...」
自分も個人的に、会社に対し相当の投資をさせられているものの、
まだ元金どころか配当すらまともに回収されてない。
そんな諸々の思い当たるところもあって、結局すこし
「静観しよう」…そう思ったのが、そもそもの大間違い…。

あっという間に、会社は大損益を出し、一挙に傾いてしまった。

代表は、それでもその男の古巣の銀行が、最後は助けてくれる...
そう信じていたようだが、結局、その銀行に当社は裏切られ、
「貸し渋り」&「貸しはがし」の二重苦で、
散々いたぶられた挙げ句、呆気なく経営破綻してしまう。

無論、経理部長様は、銀行に急遽呼び戻され、以降行方不明。

組織は社会的には消滅したが、営業成績や取引先等は、
何の毀損もなかったから、そのまま私の指揮で業務続行を…
何なら出資もするぞ…。と債権者達に云われるのだが、
自分もこの破綻劇で、数千万の貯蓄と不動産等の
財産らしきものを失っているし、債権者様(?)の
「人身御供」も、まっぴら御免!

そういうわけで、幾分、お気楽と思われた副社長待遇で、
新しく若い会社の基盤作りを手伝って欲しいという誘いに、
まんまと乗せられてしまうのだった。

新しい会社と云っても、建ち上げて既に数年経っていて、
部長も課長も、各支店(店舗)のエリアマネージャーも店長も
何人もいる組織….。

そんな中で、私は入社初日に会議招集した。

都内各店舗の営業終了後、本社オフィスに各店リーダー達が
集合したのが午後10時…彼らと自分は、傍系会社の若い子達
(ほとんど女性)ということで旧知でもあったし、
自分が(組織に)来るということで、皆喜んでる!
と社長から聴いていた上で、私の所信表明的な改革案を
ぶち上げるのだが、反応は意外にも冷ややか…。

「あれっ?」と拍子抜けしていると、エリアマネージャーの
まだ20代の女子が私にいみじくも云うのだ…。

「ごもっともな御意見ですが…それを突然ブチョーさん…
いや、副社長に云われても、店の子達には、

そうした改革の結果、会社を潰したのはどこの誰?...

そう感じると思うんですよ。私たちは副社長の実力や
お人柄等、充分に存じ上げ、尊敬してますが、
若い子達の不安とか、そう言うものを覆すだけのご覚悟…
そこをどう、お考えなんでしょうか…?」

周りのチーフやマネージャー達を観ると、僅かだが
首を縦に振り、同意をしているようだ…

どうやらそう考えてるのは、店舗の若い子達ではなく、
彼ら古株達のようだな…。

そうか…自分はまずはそこから始めねばならないのか…

破綻した理由なんて、彼ら彼女らにはどうでもいい話で、
自分という人間は、経営陣の一角として、
彼らの親会社を潰した、その張本人の一人であるのが、
彼らにはたぶん、唯一無二の真実であるのだろう。

そしてその日から、想像を絶する苦悩の日々が始まるのだ…

その内容は、とても暗くて、残虐性(?)も含まれるので、
またそうのうちに…覚悟の上で…。



そうしたわけで、90年代から00年代は、自分としては、
音楽とはとても縁遠い時期だったかもしれない。

ふと思い返しても、90年代半ばのほんの一瞬、
きらっと現れて、すぐに居なくなってしまったジェフバックリー…。
彼の才能には随分嫉妬…いやいや感動させられたものだ。

奇跡のような、たった一人でのカフェでの
凄まじい光を発していたライヴ盤と、この世のものとは
思えないほど美しい、名唱「ハレルヤ」を含むデビューアルバム。
そして来日公演…「また来年来るよ、絶対来るからね!」
そう云ってたのに、二度と帰らぬ人になってしまった彼…。

我が家の家人曰く、

「あんな美しい歌声の彼だから、天使に好かれてしまった…」

ちょっとわざとらしい台詞だが、リアルに納得してまう私であった。

和声を学ぶ為だけにバークリー音楽院に入学し、
コードの成り立ちを完璧にマスターしたら即退学して、
カフェで唄いだしたら、様々なレコード会社の担当者に発見されたが、
彼と契約できたのは、なんとColumbiaを買収して巨大化していた
日本のSonyレコードの、日本人A&Rマンだったそうだ。

しかも本社へのデモンストレーション用にカフェで録音した
2トラックのテープ音源が、こうして世界発売されることになって、
我々の耳にやっと届くわけで…

「なんだこいつ!?スッゲエなあ!えっ、放浪の吟遊詩人
ティムバックリー…彼の息子!?初めて買ったレコードが
フィジカルグラフィティと太陽と戦慄!?」

そんなだから、当然レパートリーもマニアック…
レナードコーエン、ボブディラン、ザ・バンド、ヴァンモリソン、
レッドゼッペリン、スライ&ザファミリーストーン、ヌスラット、
ニーナシモン、エディットピアフ、ビリーホリデー、ジョンレノン、
そして父上ティムバックリー…etc.etc…。

この曲はヴァンモリソンのソロ1stアルバムで、かつ大名盤でもある
「Astral Weeks」に入ってた曲。

彼の壮絶な歌唱もさることながら、唄とコードの関係性を知り抜いた
ギターテクニックがとにかく凄い!

Jeff Buckley - The Way Young Lovers Do (Live At Sin-é)

 
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4 Comments

ギターマジシャン says..."バックリー"
器用と言うと語弊がありますが、変幻自在な歌声というか、ハスキーな女声ジャズボーカル、ウイーン少年合唱団のような澄んだ声、さらにロバートプラントのような絶叫と、どれもが素晴らしいです。

ギターもコードを知り尽くした鳴らし方で、ジミのリトルウィングでの全編オブリガードのようなコードリフや、さらにファンクにしたレニークラビッツのような流れるようなバッキングがあざやかです。
2017.07.05 20:52 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."ギターマジシャンさん まいどです"
観たんですよ….来日公演の最後の最後、一人でハレルヤを唄ったとき… 
ホントに降りてきたんです…2人の天使が….凄い神々しくてね...。
客席も静まり返ってて、誰かが、ヒイェイ!なんて素っ頓狂な声を出すと、
女性客が大声で「うるさい、黙れ!」って...そんなライヴでしたね。

この曲は、もちろんライヴで何度も披露してるんですが、たぶん唄うたびに
アレンジと云うか、きちんとした唄部分以外は、全く異なるんですね。
その日の気分で、スキャットも叫びもアドリブ的に異なっていて、当然
こーども臨機応変、縦横無尽に変えて行く….そんなアーティストでしたね。

返す返すも、トムヴァーラインのプロデュースによる2作目レコーディングが
不調で、そのやり直しで訪れてたミシシッピ川で泳いだりしなけりゃあねえ….
ホントに惜しいです。
2017.07.05 21:53 | URL | #- [edit]
つかりこ says..."おばんです"
> 役員会議等の承認を経ることなく、突然代表取締役の独断で、
> メインバンクから出向者を迎え、当社の「経理部長」に就任した。

↑ その出向者さん、ホントに資産運用のために来たんでしょうかね?
普通、銀行から財務担当を招く場合は、傾いた会社の財政立て直しまたは
後片付けのためが多いですよね。
つまり、その方が投資で失敗したのではなく、すでに、社長さんあたりが
大きな負債を抱えてしまったのを処理するために
やってきたように見受けられました。
で、銀行に損が出ないように会社をたたんだのでは?
勘違いかなあ?
いずれにせよ、大変なめに遭われましたねー。
波乱万丈とはこのことです。
Jeff Buckleyの歌が、絞り出すような嘆き声に聞こえます。
2017.07.06 18:32 | URL | #- [edit]
pipco1980 says..."つかりこさん まいどです"
かねてから、代表者は経理&財務の方々の、ただひたすら真面目な事務仕事に
不満を表してまして、優秀な「資金運用」のプロスタッフが欲しい等々を
メインバンクに相談していたのは知ってましたけど、自らそれが出来る
タイプではなかったです。まあ、呑み屋のおねえさんに「出資してやるからさ…」
程度の話は、なかったわけじゃあないことは知ってますけども….。

でも、つかりこさんの論の方が、的を射てる感じがしてしまいますねえ….。

Jeff Buckleyは「天使の声」の持ち主として、もはや歴史上の人物なのだそうで
唯一のオリジナルアルバム『GRACE』も、90年代を代表する作と崇められてるようですが、
実際に90年代は、我が家の親子間、夫婦間...我が家のアイドル!に過ぎませんでしたけどね。
2017.07.06 19:06 | URL | #- [edit]

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